「400Xは不人気なの?」「なぜ人気がないと言われるのか」「中古で買ったら後悔する?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。ホンダ400Xはアドベンチャースタイルを採用した400ccクラスのクロスオーバーモデルですが、ネットでは「中途半端」「重い」といった評価も見られます。
しかし、400Xは単純に出来が悪くて不人気だったバイクとは言い切れません。価格や車重、アドベンチャーバイクとしての性格など、購入者によって評価が分かれやすい立ち位置だったことが大きく関係しています。この記事では、不人気と言われる理由から実際の欠点、長所、生産終了の意味、中古で選ぶ際のポイントまで整理します。
400Xが不人気なのはなぜ?結論は「性能より立ち位置」で評価が分かれたから

400Xが不人気と言われる理由を先にまとめると、致命的な欠陥があるからではありません。400ccとしては車体が大きく重量もあり、スポーツモデルほど軽快ではない一方、本格的なオフロード車ほど未舗装路に特化しているわけでもないため、特徴が伝わりにくかったことが大きいと考えられます。
最終型400Xの主要諸元は、399cc水冷DOHC直列2気筒エンジン、最高出力46PS、最大トルク38N・m、車両重量199kg、シート高800mmです。17Lの燃料タンクを備え、WMTCモード燃費は27.9km/Lとされています。
| 項目 | 最終型400X |
|---|---|
| 排気量 | 399cc |
| エンジン | 水冷DOHC4バルブ直列2気筒 |
| 最高出力 | 46PS / 9,000rpm |
| 最大トルク | 38N・m / 7,500rpm |
| 車両重量 | 199kg |
| シート高 | 800mm |
| 燃料タンク容量 | 17L |
| WMTCモード燃費 | 27.9km/L |
| 当時のメーカー希望小売価格 | 858,000円(税込) |
これらの数字を見ると、ツーリングバイクとしては実用的ですが、400ccスポーツモデルと比べると軽量とはいえません。例えばNinja 400は現行モデルで車両重量167kg、最高出力48PSです。単純比較ではありますが、「400ccなら軽くて速いバイクが欲しい」という人から見ると、400Xの199kgは大きな差に感じられます。
つまり400Xは万人受けする400ccではなく、ツーリング性能を重視する人ほど価値が分かりやすいバイクです。「不人気」というより、求める用途によって評価が大きく変わるモデルと考えたほうが実態に近いでしょう。
400Xが不人気と言われる主な5つの理由

400Xについて否定的な評価が出やすいポイントを整理すると、価格、重量、エンジン特性、アドベンチャーバイクとしての方向性、ライバルとの比較という5つに分けられます。それぞれ単体では大きな欠点ではありませんが、購入者の期待とずれると「中途半端」という印象につながります。
400ccとしては約200kgあり軽快さを求める人には重い
最終型400Xの車両重量は199kgです。走り出してしまえば安定感につながる重量ですが、駐車場での押し引きやUターン、傾斜した場所での取り回しでは軽量な400ccモデルとの差を感じやすくなります。
特に普通二輪免許を取得したばかりで「400ccなら扱いやすいだろう」と考えている人には、想像以上に大柄に感じられる可能性があります。最終型Ninja 400の167kgと比較すると32kg重く、軽さを重視したスポーツモデルとは設計思想そのものが違います。
反対に高速道路や長距離巡航では、このサイズと重量が必ずしも欠点になるわけではありません。400Xはアップライトな乗車姿勢やウインドスクリーンを採用しており、長時間走行での快適性を重視しています。重さだけで判断するのではなく、自分が押し引きを重視するのか、高速巡航の安定感を重視するのかで評価する必要があります。
価格だけを見ると大型バイクまで視野に入ってしまう
最終型400Xのメーカー希望小売価格は858,000円でした。400ccクラスとして決して安価なモデルではなく、購入時には登録費用や用品代なども加わります。そのため「これだけ出すなら、もう少し予算を増やして大型バイクを買いたい」と考える人が出やすい価格帯でした。
一方で、大型バイクには大型二輪免許が必要で、タイヤ代や燃料代など維持費が高くなるケースもあります。400Xなら普通二輪免許で乗れるため、価格だけを大型車と比較するのは公平ではありません。
それでもバイク選びでは購入価格のインパクトが大きく、250ccクラスのアドベンチャーモデルと大型アドベンチャーの間に挟まれた400Xは、予算面でも「どちらを選ぶべきか迷いやすい」立ち位置だったと考えられます。
46PSのエンジンは扱いやすい反面、刺激を求めると物足りない
400Xの399cc直列2気筒エンジンは最高出力46PSです。街中から高速道路まで扱いやすく、ツーリング用途には十分な性能ですが、回したときの刺激や圧倒的な加速感を求めるバイクではありません。
スポーツ性能を重視する人の場合、同じ400ccクラスなら軽量な車体を持つモデルのほうが魅力的に映りやすくなります。また、大型二輪免許を持っている人なら、より排気量の大きなモデルを比較対象にすることもあります。
400Xのエンジンは「遅い」というより、速さを前面に出す性格ではないと考えるのが適切です。低・中回転域を使いながら景色を楽しむツーリングでは扱いやすさがメリットになりますが、刺激を最優先する人とは相性がよくありません。
見た目はアドベンチャーでも本格オフロード車とは性格が違う
2019年以降の400Xはフロント19インチタイヤを採用し、荒れた路面への対応力を高めています。ホンダも「都市から自然まで楽しめるクロスオーバーモデル」と位置付けていました。
ただし、最終型の最低地上高は150mmです。大径ホイールや長いサスペンションストロークを備えた本格的なオフロード向けアドベンチャーモデルとは方向性が異なり、林道やフラットダートを楽しむことは想定できても、険しい未舗装路を積極的に攻略するタイプではありません。
アドベンチャーらしい外観から高いオフロード性能を期待すると、「思ったほど悪路向けではない」という評価につながります。しかし舗装路主体で、ときどき荒れた道にも入りたいという使い方なら、むしろオンロード性能とのバランスを取った設計と見ることができます。
何でもできる反面「これが一番」という分かりやすさが弱い
400Xは街乗り、高速道路、ワインディング、キャンプツーリングなど幅広い用途に対応できます。しかし万能性の高いモデルほど、比較表では強みが目立ちにくくなります。
軽さならスポーツモデル、足つきなら低シートのモデル、悪路走破性ならオフロード寄りのアドベンチャー、大排気量なら大型モデルというように、一つの項目だけを比較すると400Xより魅力的に見える車種があります。
400Xの魅力は「一つの性能で圧勝すること」ではなく、「高速道路を含む長距離ツーリングを中心に、多くの用途を1台でこなせること」です。この特徴が自分の使い方と一致するかが重要です。
400Xの欠点は?買ってから後悔しやすいポイント

400Xを中古で検討しているなら、不人気という評判よりも「自分が何を不満に感じそうか」を確認することが重要です。スペック上の特徴から、特に注意しておきたいのは取り回し、足つき、オフロードへの期待、装備の世代差です。
押し引きや狭い場所では199kgの重量を意識する
199kgという重量は大型アドベンチャーと比べれば抑えられていますが、400ccの中では軽量とはいえません。自宅の駐輪場まで段差や傾斜がある人、狭い場所で頻繁に方向転換する人は購入前に確認したいポイントです。
荷物を積載すると取り回しの負担はさらに増えます。キャンプ道具やトップケースを装着して使いたい場合は、走行中だけでなく停車時の扱いやすさも確認しておくと安心です。
可能であれば購入前に実車へまたがるだけでなく、販売店で安全を確保したうえで押し引きの感覚まで確認することをおすすめします。スペック表の199kgと、実際にハンドルを切った状態で感じる重さは同じではありません。
シート高800mmは数字だけでは足つきを判断できない
最終型400Xのシート高は800mmです。極端に高い数値ではありませんが、車体の幅やライダーの股下によって足つきの印象は変わります。身長だけを基準に「大丈夫」「無理」と決めることはできません。
ホンダはシートの太もも部分をスリム化し、足つき性に配慮した設計としていました。そのため同じ800mmでも、シート幅の広いバイクとは感覚が異なる可能性があります。
問題になりやすいのは平坦な場所より、道路のわだちや傾斜、荷物を積んだ状態です。両足が完全に接地することにこだわる必要はありませんが、約200kgの車体を片足で安定して支えられるかは試しておきたいところです。
アドベンチャーという名前から悪路性能を期待しすぎない
400Xは2019年のモデルチェンジでフロントホイールを17インチから19インチへ変更し、荒れた路面への対応力を高めました。2022年モデルでは倒立フロントフォークやフロントダブルディスクブレーキも採用されています。
こうした装備を見ると本格的なアドベンチャーバイクを想像しやすいものの、400Xの中心となる用途は舗装路を含むクロスオーバーです。キャンプ場までの未舗装路や整備されたフラットダートと、荒れた林道を積極的に走る用途は分けて考えたほうがよいでしょう。
不人気という評価だけでは分からない400Xのメリット

弱点だけを見ると中途半端に感じる400Xですが、その特徴は長距離ツーリングではメリットに変わります。特に「大型二輪免許までは取らず、普通二輪免許で高速道路を快適に走りたい」という人にとっては現在でも魅力があります。
400ccなので高速道路を使った長距離ツーリングと相性がいい
250cc以下と違い、400Xは車検が必要になりますが、399ccエンジンによる余裕があります。46PSという最高出力は突出して高くありませんが、日本国内の一般的なツーリングで必要になる速度域には対応しやすい性能です。
加えて、アップライトなライディングポジションとウインドスクリーンを備えているため、前傾姿勢の強いスポーツモデルとは疲労の出方も異なります。ホンダはスクリーンを2段階で高さ調節できる構造としており、風圧を抑えることも重視していました。
「休日に高速道路で数百km走る」「キャンプ用品を積んで遠出する」という用途では、軽さだけでバイクを選ぶより、400Xのようなツーリング寄りの設計が有利になる場面があります。
17Lタンクと燃費性能で航続距離を確保しやすい
最終型400Xの燃料タンク容量は17L、WMTCモード燃費は27.9km/Lです。単純計算では400kmを超える数値になりますが、実際の燃費は速度、道路状況、荷物、気温、運転方法などによって変わるため、カタログ値どおりの航続距離を保証するものではありません。
それでも17Lという容量は、給油回数を減らしたい長距離ツーリングでは魅力です。山間部などガソリンスタンドの少ない地域へ行く人にとっても、タンク容量の余裕は安心材料になります。
2022年以降の最終型は足回りやブレーキが充実している
中古400Xを検討する際に重要なのが年式です。特に2019年のモデルチェンジではフロント19インチ化と外観変更が行われ、アドベンチャーらしい性格が強まりました。
さらに2021年12月に発表された最終世代では、フロントに倒立フォークとダブルディスクブレーキを採用しています。中古価格だけなら古いモデルが魅力的ですが、現在イメージされる400Xらしいスタイルと装備を求めるなら2019年以降、足回りまで重視するなら最終世代を中心に探すと選びやすくなります。
400Xはなぜ生産終了した?不人気だったからとは限らない

400Xはホンダ公式サイトで「2023年12月生産終了モデル」と案内されています。そのため「売れなかったから廃止された」と考える人もいますが、生産終了という事実だけを根拠に不人気だったと判断することはできません。
400Xの役割は2024年登場のNX400へつながっている
ホンダは2024年2月にクロスオーバーモデル「NX400」を発売しました。2024年型NX400は399cc水冷直列2気筒エンジンを搭載し、最高出力46PS、最大トルク38N・m、シート高800mm、燃料タンク容量17Lという基本構成を持っています。
これらは最終型400Xと共通する部分が多く、400ccクロスオーバーという商品そのものが消滅したわけではありません。NX400では車両重量が196kgとなり、HSTC(Honda セレクタブル トルク コントロール)やHonda RoadSyncなど電子装備も追加されました。
400Xの生産終了は「400ccクロスオーバーをやめた」というより、NX400へ名称と商品構成を刷新した流れとして見るほうが自然です。
2026年にはNX400 E-Clutchへ進化している
2026年5月には「NX400 E-Clutch」が発売されました。Honda E-Clutchは、発進、変速、停止などの際にクラッチレバー操作を行わなくてもクラッチを自動制御する仕組みで、必要な場合にはライダー自身がクラッチレバーを操作することもできます。
2026年8月時点のNX400 E-Clutchは399cc、46PS、38N・m、車両重量199kg、シート高800mm、17Lタンクという構成で、メーカー希望小売価格は1,111,000円です。
つまり400Xがなくなった後も、同じ排気量帯・同系統のクロスオーバーモデルは継続的に発展しています。この事実からも、「400Xは不人気で市場から完全に撤退した」という説明では状況を十分に表せません。
中古400Xは買っても大丈夫?向いている人と選び方

400Xは現在、新車の現行モデルではないため、購入するなら中古車が中心になります。不人気という検索候補だけを理由に避ける必要はありませんが、自分の用途との相性と中古車の状態を分けて判断することが大切です。
400Xを選ぶと満足しやすい人
400Xが向いているのは、普通二輪免許で乗れるツーリングバイクを探していて、街乗りだけでなく高速道路や長距離移動も重視する人です。キャンプ用品やツーリングバッグを積んで遠出したい人にも方向性が合っています。
| 400Xが向いている人 | 別の車種も比較したい人 |
|---|---|
| 長距離ツーリングが多い | 街乗りと短距離移動が中心 |
| 高速道路をよく利用する | 車体の軽さを最優先したい |
| アップライトな姿勢が好き | 強烈な加速感を求める |
| キャンプなどで荷物を積みたい | 本格的な林道走行が中心 |
| 普通二輪免許で余裕のある車格が欲しい | 足つきを最優先したい |
特に大型二輪免許を取得する予定がなく、「250ccより余裕が欲しいが大型バイクほどのサイズやパワーはいらない」という人には、400Xの立ち位置がちょうどよくなる可能性があります。
中古では走行距離だけで判断しない
400Xはツーリング用途に使われやすい車種なので、走行距離が多い個体も珍しくありません。しかし中古バイクでは、走行距離が少ないことだけが良い個体の条件ではありません。
定期的にオイル交換などの整備を受けていたか、長期間放置されていないか、チェーンやスプロケット、タイヤ、ブレーキなどの消耗品がどの程度残っているかを確認するほうが重要です。
転倒跡については、レバーやバーエンド、マフラー、エンジンカバー、ステップ周辺などを見ると判断材料になります。アドベンチャー系の外装は傷が目立ちにくい場合もあるため、できれば販売店に転倒歴や修復歴を確認しましょう。
2019年以降と最終世代は優先的に比較したい
中古価格を抑えることが目的なら初期型にも魅力がありますが、現在400Xに期待されるアドベンチャースタイルを重視するなら2019年以降が候補になります。19インチフロントタイヤを採用しているため、それ以前の400Xとは見た目や方向性が異なります。
予算に余裕があるなら、倒立フロントフォークとフロントダブルディスクブレーキを採用した2022年型以降の最終世代も比較したいところです。ただし年式が新しいという理由だけで高額な個体を選ぶのではなく、整備履歴や消耗品の状態まで含めた総額で判断しましょう。
400Xが不人気と言われても気にしなくてよい理由

バイク選びで「人気車かどうか」を確認することには意味がありますが、検索候補に「不人気」と出ることと、そのバイクが悪いことは別問題です。400Xの場合、長所と短所が用途によって入れ替わるため、評価が分かれやすいモデルです。
例えば199kgという重量は、駐車場ではデメリットになりますが、高速巡航では車体の落ち着きにつながります。46PSのエンジンは刺激を求める人には物足りなくても、長距離を疲れにくく走りたい人には扱いやすさにつながります。
19インチフロントタイヤを備えながら本格的なオフロード車ほど尖っていないことも、舗装路中心なら欠点とは限りません。結局のところ400Xで後悔するかどうかは、「何でもできそうだから」というイメージだけで購入せず、自分が実際に走る場所を想定できているかで大きく変わります。
高速道路を使ったツーリングが中心なら400Xは有力候補です。軽さと街乗りを最優先するなら軽量モデル、本格的な林道が中心ならオフロード寄りのモデル、圧倒的な加速を求めるなら大型車を含めて比較すると選びやすくなります。
400Xが不人気な理由を理解すれば中古でも十分選択肢になる
400Xが不人気と言われる背景には、約200kgという重量、400ccとしては高めだった価格、穏やかなエンジン特性、アドベンチャーらしい外観と実際の用途のギャップなどがあります。軽さや速さ、本格的な悪路走破性を一つずつ比較すると、他車のほうが魅力的に見える場面があるのは事実です。
一方で、399cc・46PSのエンジン、17Lタンク、アップライトなポジション、ウインドスクリーン、19インチフロントタイヤなど、長距離ツーリングに適した要素は充実しています。特に普通二輪免許の範囲で高速道路を使った旅行やキャンプツーリングを楽しみたい人には、現在でも合理的な選択肢です。
400Xは2023年12月に生産終了しましたが、400ccクロスオーバーという方向性はNX400へ受け継がれ、2026年にはNX400 E-Clutchも登場しています。「不人気だから避ける」のではなく、400Xの重さと性格が自分の使い方に合うかを確認することが、後悔しない選び方です。


