CBR400Rの最高速は何km/hなのか、購入を検討している人なら気になるポイントです。見た目は本格的なフルカウルスポーツですが、46PSの直列2気筒エンジンはどこまで速度を伸ばせるのでしょうか。
結論からいうと、HondaはCBR400Rの最高速度を公表していません。各種の走行例や車両スペックから考えると、従来型CBR400Rの最高速はおおむね170〜180km/h前後がひとつの目安です。ただし、メーター表示ではこれより高い数字が出る場合があり、年式や走行条件によっても変わります。
この記事では、CBR400Rの最高速の目安だけでなく、46PSという出力との関係、高速道路での余裕、年式による違い、そして2026年に登場したCBR400R FOURとの混同にも注意しながら解説します。
CBR400Rの最高速は170〜180km/h前後がひとつの目安

CBR400Rの最高速について最初に押さえておきたいのは、メーカーが「最高速度○km/h」と公表しているわけではないことです。そのため、ネット上にある数字は実走例、メーター表示、車両スペックからの推定などが混在しています。
180〜190km/hという情報もあるがメーター速度とは分けて考える
CBR400Rについて検索すると、「180km/h程度」「190km/h近く出る」といった情報も見つかります。これらが必ずしも間違いというわけではありませんが、重要なのはメーターに表示された速度と実際の車速は同じとは限らないという点です。
二輪車のスピードメーターには一定の許容誤差があり、タイヤの摩耗状態などによっても表示と実速度に差が生じます。たとえばメーター上で180km/h台を示していても、GPSなどで確認する実速度はそれより低くなる可能性があります。
さらに、追い風や向かい風、道路勾配、ライダーの体格、伏せ姿勢、タイヤ、チェーンの状態などでも最高速は変化します。そのため「CBR400Rは必ず○km/h出る」と1km/h単位で断定するのは適切ではありません。
Honda公式スペックは最高出力46PS
2026年モデルのCBR400R E-Clutchは、水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒の399ccエンジンを搭載しています。最高出力は34kW[46PS]/9,000rpm、最大トルクは38N・m[3.9kgf・m]/7,500rpmです。
車両重量は195kgで、変速機は6速です。これらはHonda公式 CBR400R E-Clutch製品ページで確認できます。一方、最高速度の数値自体は主要諸元に記載されていません。
| 項目 | CBR400R E-Clutch(2026年モデル) |
|---|---|
| 排気量 | 399cc |
| エンジン | 水冷DOHC4バルブ直列2気筒 |
| 最高出力 | 46PS / 9,000rpm |
| 最大トルク | 38N・m / 7,500rpm |
| 車両重量 | 195kg |
| 変速機 | 6速 |
| 最高速の公表値 | なし |
| 最高速の目安 | 170〜180km/h前後 |
CBR400Rはなぜ46PSでも170km/h以上を狙えるのか

「46PSで本当に170km/h以上出るのか」と疑問に感じるかもしれません。しかし、最高速度は馬力だけでは決まらず、ギア比や空気抵抗、カウル形状など複数の要素が関係しています。
最高速では空気抵抗の影響が非常に大きい
速度が低い領域ではエンジン出力に余裕がありますが、速度が上がるほど空気抵抗は急激に大きくなります。そのため100km/hから120km/hへ加速する場合と、150km/hから170km/hへ加速する場合では、同じ20km/hの差でも必要な力が大きく異なります。
CBR400Rはフルカウルを装備し、上半身をある程度風から守るスポーツスタイルです。ネイキッドモデルに比べれば高速域で空気を受け流しやすい形状であり、最高速だけでなく高速巡航時の疲労軽減にもメリットがあります。
実際の試乗記事でも高速域への伸びやカウルを備えた走行性能が評価されています。CBR400Rは最高速だけを追求したスーパースポーツではありませんが、46PSを実用的に使いやすい車体設計といえます。
最高出力が9,000rpmで発生するエンジン特性
CBR400Rの46PSは9,000rpmで発生します。低回転だけで走っていると最高出力を使い切れないため、高速域まで加速するにはエンジンを高回転まで回す必要があります。
一方で、CBR400Rの特徴はピーキーな高回転型というより、中低回転から扱いやすい直列2気筒エンジンであることです。最大トルクは7,500rpmで38N・mを発生し、街中から高速道路まで幅広く使いやすい設定になっています。
つまり、最高速の数字だけを見るとスポーツバイクらしい性能がありますが、設計上の重点は「最高速を何km/h伸ばせるか」よりも、日常走行からツーリングまで扱いやすくすることにあると考えたほうが、CBR400Rの性格を正確に理解できます。
伏せ姿勢によっても最高速は変わる
バイクでは車体だけでなくライダー自身も大きな空気抵抗になります。上半身を起こした状態と、スクリーンの後ろへ伏せた状態では高速域の抵抗が変わるため、同じCBR400Rでも最高速度に差が生まれます。
ライダーの身長や体重、服装なども無視できません。そのため、異なる人が計測した最高速の数字をそのまま比較しても、車両性能だけの差とは判断できません。
CBR400Rの最高速を見るときは、「最高速度○km/h」という数字だけでなく、メーター速度なのか実速度なのか、走行条件は同じなのかまで確認することが大切です。
CBR400Rは年式によって最高速が大きく変わるのか

中古車まで含めてCBR400Rを検討している場合、「NC47・NC56・NC65で最高速は違うのか」も気になるところです。結論として、近年の直列2気筒CBR400Rは最高出力が大きく変わっていないため、年式だけで最高速が劇的に変化するとは考えにくいでしょう。
NC47・NC56・NC65はいずれも46PSクラス
2016〜2018年頃のNC47型CBR400Rは46PSを9,500rpmで発生していました。その後のNC56型では46PS/9,000rpmとなり、2024年以降のNC65型でも46PS/9,000rpmです。
外観や足まわり、電子装備などは改良されていますが、少なくともカタログ上の最高出力だけを比べれば大きな差はありません。2019年以降のモデルについては最大トルクも38N・m/7,500rpmで共通する世代が多く、基本的な動力性能は近い水準です。
そのため中古車選びでは、数km/h程度の最高速差を気にするよりも、タイヤ、チェーン、スプロケット、エンジン、ブレーキなどのコンディションを重視したほうが実用上は重要です。
2026年モデルはE-Clutch搭載で195kg
2026年には従来の直列2気筒CBR400RへHonda E-Clutchが採用されました。E-Clutchは、発進や変速、停止の際にクラッチ操作を自動制御し、必要な場合にはライダーがクラッチレバーを操作することもできるシステムです。
最高出力は従来と同じ46PSですが、2024年モデルの191kgに対し、2026年のCBR400R E-Clutchは195kgです。4kgの差が最高速度へ与える影響は、加速性能への影響ほど大きくありません。最高速では重量より空気抵抗や出力の影響が大きいためです。
したがって、2026年モデルになったことで最高速が大幅に落ちたと考える必要はありません。E-Clutchのメリットは最高速向上ではなく、クラッチ操作の負担を減らしながら変速を楽しめる点にあります。
「CBR400R FOUR」の最高速情報を混ぜないように注意
2026年には、名称がよく似たCBR400R FOUR E-Clutchも登場しています。こちらは従来のCBR400Rとはエンジンも車体も異なる別モデルです。
CBR400R FOURは399ccの直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力は58PS/11,500rpm、車両重量は187kgです。46PS・195kgの直列2気筒CBR400R E-Clutchよりも高出力かつ軽量で、動力性能の性格も異なります。詳しい主要諸元はHonda公式 CBR400R FOUR E-Clutch製品ページで確認できます。
| 項目 | CBR400R E-Clutch | CBR400R FOUR E-Clutch |
|---|---|---|
| エンジン | 直列2気筒 | 直列4気筒 |
| 排気量 | 399cc | 399cc |
| 最高出力 | 46PS / 9,000rpm | 58PS / 11,500rpm |
| 最大トルク | 38N・m / 7,500rpm | 38N・m / 9,750rpm |
| 車両重量 | 195kg | 187kg |
| キャラクター | 扱いやすさ・ツーリング重視 | 高回転型4気筒スポーツ |
最高速より重要なCBR400Rの高速道路での実力

日本でCBR400Rを実際に所有するなら、170km/hや180km/hを出せるかよりも、100〜120km/h付近で快適に巡航できるかのほうが重要です。この点では400ccならではの余裕があります。
100km/h巡航なら最高速まで大きな余裕がある
最高速が170〜180km/h前後の車両にとって、100km/hは限界付近の速度ではありません。250ccクラスと比較して400ccには排気量とトルクの余裕があるため、高速道路でも速度を維持しやすく、追い越し時にも加速の余力を確保しやすくなります。
CBR400Rは大型ツアラーほど低回転で悠々と走るタイプではありませんが、法定速度内で高速道路を走る用途なら46PSでも不足を感じにくい性能です。400ccを選ぶ大きなメリットは、最高速の数字そのものより、この常用域での余裕にあります。
120km/h区間でも性能不足を心配しすぎる必要はない
高速道路には最高速度が120km/hに設定される区間もあります。CBR400Rにとって120km/hは最高速付近ではないため、車両性能としては十分対応可能な速度域です。
ただし、高速巡航の快適性はエンジンの余力だけでは決まりません。向かい風が強ければライダーの疲労は増えますし、横風では車体が流される感覚も出ます。スクリーンの高さやライディングポジションによって風の当たり方も変化します。
CBR400Rはフルカウルで比較的アップライトなポジションを持ち、極端な前傾姿勢を要求しません。この「スポーツバイクらしい外観なのに長距離でも使いやすい」というバランスが、最高速以上に実用面での強みです。
130km/hを超えるあたりから加速の勢いは弱くなる
46PSの400ccなので、100km/hを超えても加速できますが、速度が高くなるほど空気抵抗が増え、加速の勢いは徐々に弱くなります。100km/hまでの加速感と、150km/hからさらに伸ばす感覚は大きく異なります。
この点からもCBR400Rは「最高速を競うためのマシン」というより、一般道から高速道路、ワインディング、長距離ツーリングを1台でこなすスポーツツアラー寄りの性格と考えると理解しやすいでしょう。
マフラー交換やリミッター解除でCBR400Rの最高速は上がる?

最高速を調べていると、マフラー交換やECU書き換え、リミッター解除といったカスタム情報も目にします。しかし、CBR400Rでは部品を1つ交換するだけで最高速が大幅に上がると考えないほうがよいでしょう。
マフラーだけで最高速が劇的に変わるわけではない
社外マフラーには軽量化や音質、外観を変える魅力がありますが、スリップオンマフラーへ交換しただけで最高出力が大幅に増加するとは限りません。
最高速を大きく上げるには、高速域で空気抵抗に打ち勝てるだけの出力増加が必要です。数kgの軽量化は加速には有利でも、最高速度に対する効果は限定的です。
吸排気系を変更する場合には燃調とのバランスも重要です。性能向上を目的として無計画にパーツを組み合わせると、かえって乗りにくくなる可能性があります。
スプロケット変更は「最高速と加速」のトレードオフ
前後スプロケットの歯数を変えると最終減速比を変更できます。理論上は高速寄りのギア比にすれば、同じエンジン回転数でより高い速度になるため最高速が伸びそうに見えます。
しかし、ギア比をロングにしすぎると駆動力が不足し、空気抵抗に負けて最高回転数まで到達できなくなります。その結果、理論上の最高速度は上がっても実際の最高速度は伸びないことがあります。
逆に加速寄りへ変更すると、速度の伸びよりも低中速の反応を重視した特性になります。公道での楽しさを考えれば、最高速を数km/h追うよりも常用速度域の加速を重視する考え方も合理的です。
タイヤやチェーンの状態も最高速へ影響する
同じノーマル車でも、タイヤ空気圧が不適切だったりチェーンの張りや給油状態が悪かったりすると、本来の性能を発揮できません。2026年型CBR400R E-Clutchの場合、Hondaは1人乗車・2人乗車ともに前250kPa、後290kPaを指定しています。
最高速を目的としなくても、タイヤの空気圧や残り溝、チェーン、ブレーキなどの日常点検は安全性と走行性能の両方に関わります。性能を引き出す以前に、メーカー指定の状態を維持することが基本です。
CBR400Rは最高速を重視する人にもおすすめできる?

CBR400Rには400ccとして十分な速度性能がありますが、最高速だけを最優先してバイクを選ぶ人と、街乗りやツーリングも含めた総合性能を求める人では評価が変わります。
最高速だけを求めるならCBR400Rの強みを活かしきれない
CBR400Rの魅力は46PSを絞り出して最高速を競うことではありません。直列2気筒による扱いやすいトルク、フルカウルによる防風性、17Lの燃料タンク、比較的無理のないライディングポジションなどを組み合わせた総合力にあります。
そのため、「400ccで可能な限り高回転まで回して速さを楽しみたい」という人には、2026年に登場した58PSのCBR400R FOURのような高回転型4気筒モデルも比較対象になります。
一方で、最高速より一般道での扱いやすさ、高速道路での余裕、長距離ツーリングのしやすさを重視するなら、従来型CBR400Rの方向性は非常にわかりやすいものです。
250ccからの乗り換えでは高速道路の余裕を感じやすい
250ccスポーツからCBR400Rへ乗り換える場合、最高速の差よりも追い越し加速や上り坂、高速巡航時の余裕に違いを感じやすいと考えられます。
400ccでは車検が必要になる一方、排気量が増えることでエンジンを常に高回転まで回さなくても速度を維持しやすくなります。高速道路を含むツーリングが多い人にとっては、この余力に価値があります。
「180km/h出るか」より「100km/hで長時間走って疲れにくいか」を基準にすると、CBR400Rを選ぶ意味がより明確になります。
中古車なら最高速より車両状態を優先したい
中古CBR400Rでは、同じ年式でも保管状況やメンテナンス履歴によってコンディションが大きく異なります。最高速について数km/hの差を気にするより、消耗品や整備履歴を確認するほうが重要です。
特にタイヤ、チェーン・スプロケット、ブレーキパッド、フォークのオイル漏れなどは確認したい部分です。改造車の場合は、純正状態から何が変更されているかも確認しましょう。
CBR400Rを選ぶ判断基準は「最高速が速いか」だけではありません。街乗りから高速道路、ツーリングまで1台でこなしたい人ほど、46PSの扱いやすさと車体の安定感を活かしやすいバイクです。
CBR400Rの最高速まとめ|170〜180km/h前後を目安に考えよう
CBR400Rの最高速についてHondaから公式な数値は公表されていません。従来型の46PS・直列2気筒CBR400Rについては、走行例や車両スペックを踏まえると実際の速度で170〜180km/h前後がひとつの目安です。メーター上では180km/hを超える表示が見られることもありますが、メーター速度と実速度は分けて考える必要があります。
2026年型CBR400R E-Clutchも399cc直列2気筒で最高出力46PSを維持しており、最高速より街乗りから高速ツーリングまでの扱いやすさを重視した性格です。100〜120km/h程度の高速巡航であれば、最高速まで十分な余裕があります。
なお、2026年には58PSの直列4気筒エンジンを搭載する「CBR400R FOUR E-Clutch」が登場しています。名前は似ていますが従来型CBR400Rとは別のモデルなので、最高速や加速性能の情報を調べる際は混同しないよう注意しましょう。
CBR400Rは最高速だけを競うバイクではなく、400ccらしい余裕と日常での扱いやすさ、高速道路での快適性をバランスよく求める人に向いたモデルです。



