「NC750Xは不人気なのでは?」「買ってから後悔しないだろうか」と気になっている人は多いのではないでしょうか。NC750Xは、一般的な大型バイクとは少し違い、速さや高回転の刺激よりも、燃費・収納・扱いやすさ・長距離移動の快適さを重視したモデルです。
そのため、バイクに刺激や所有感を強く求める人からは評価されにくい一方、ツーリングや日常利用を重視する人には非常に合理的な選択肢になります。この記事では、NC750Xが不人気と言われる理由を整理し、本当に売れていないのか、どんな人が後悔しやすいのかまで分かりやすく解説します。
NC750Xは本当に不人気?結論は「万人受けしないが根強く残る実用派モデル」

結論からいうと、NC750Xを単純に「不人気で売れないバイク」と判断するのは適切ではありません。確かにスポーツモデルのような派手な話題性はありませんが、NCシリーズは長期間販売され、現在もHondaのラインアップに残っています。
むしろNC750Xは、求めるものが明確な人ほど高く評価しやすいモデルです。反対に、一般的な大型バイクに期待されやすい「圧倒的なパワー」「高回転まで回す楽しさ」「軽快なスポーツ性」とは方向性が違うため、不人気という印象につながりやすいと考えられます。
現在も販売が続いているロングセラーモデル
NC750XのルーツとなるNC700Xは2012年に登場し、その後NC750Xへ発展しました。2021年には大幅なモデルチェンジが行われ、2025年モデルでも外観や装備が更新されています。
2026年8月時点でHonda公式サイトに掲載されている現行モデルは、MT仕様とDCT仕様の2種類です。2025年モデルではフロントデザインの刷新、5インチTFTメーター、Honda RoadSync、フロントダブルディスクブレーキなどが採用されました。
短期間で販売終了するモデルではなく、10年以上にわたって改良を重ねてきた点を考えると、「誰にも支持されていないバイク」と見るのは無理があります。
販売計画台数の減少だけでは不人気とは判断できない
一方で、国内年間販売計画台数を見ると、NC750Xが以前より大規模に販売されるモデルではなくなっていることも分かります。Honda発表では2014年のNC750Xは年間2,500台、2021年モデルは1,100台、2022年の変更時は800台、2025年モデルは700台の販売計画です。
| 発表時期 | 国内年間販売計画 |
|---|---|
| 2014年 | 2,500台 |
| 2021年 | 1,100台 |
| 2022年 | 800台 |
| 2025年 | 700台 |
ただし、これは実際の販売台数ではなく、メーカーが設定した「販売計画」です。市場規模や車種構成、生産・輸入配分などの影響も受けるため、この数字だけで人気の有無を断定することはできません。
ネット上で「不人気」が目立ちやすい理由
NC750Xは性能の方向性が極端です。高出力化よりも低中速域の扱いやすさ、燃費、収納、DCTによる快適性などを重視しています。そのため「バイクに何を求めるか」によって評価が大きく変わります。
刺激の強いモデルは「速い」「音がいい」「見た目がかっこいい」と短い言葉でも魅力を説明しやすい一方、NC750Xの魅力は通勤や長距離ツーリングを繰り返したときに感じやすいものです。
ネット上の話題性と実用車としての価値は必ずしも一致しません。「SNSであまり見かけない」「熱狂的なファンの声が目立たない」ことと、本当に不人気であることは分けて考える必要があります。
NC750Xが不人気と言われる主な理由

NC750Xについて否定的な評価が出る背景には、いくつか共通した理由があります。ただし、その多くは欠陥というより、NC750X独自の設計思想との相性によるものです。
745ccとしては最高出力58PSと控えめ
現行NC750Xは745ccの水冷直列2気筒エンジンを搭載し、最高出力は58PS/6,750rpm、最大トルクは69N・m/4,750rpmです。
750ccクラスと聞いて強烈な加速や高回転まで伸びるエンジンを想像すると、数値上は物足りなく感じるでしょう。特に大型免許を取得して「せっかくなら大型らしい加速を味わいたい」と考えている人には、第一候補になりにくいモデルです。
ただし、NC750Xは低中速で扱いやすいトルクを生かす設計です。一般道やツーリングでは必要な速度域まで無理なく加速できます。つまり「遅くて使えない」のではなく、絶対的な速さより日常で使いやすい出力特性を選んでいると理解したほうがよいでしょう。
エンジンを回して楽しみたい人には物足りない
スポーツバイクでは、回転数を上げながら音や加速の変化を楽しむことも魅力の一つです。NC750Xは最高出力の発生回転数自体が6,750rpmと低めで、低中回転を中心に走る性格になっています。
そのため、頻繁にシフト操作を行いながらエンジンを高回転まで回すことそのものが好きな人にとっては、刺激不足になりやすいでしょう。「優秀だけれど面白くない」という評価が出るのも、この違いが大きいと考えられます。
逆に、一定速度で長時間走るツーリングや渋滞の多い市街地では、この穏やかさがメリットになります。評価が正反対になる典型的なポイントです。
大型バイクとしての特別感が薄いと感じる人もいる
NC750Xは、迫力のある最高出力や豪華な足回りだけで勝負するモデルではありません。デザインもスーパースポーツや大型アドベンチャーほど攻撃的ではなく、実用性を意識したクロスオーバースタイルです。
バイクを趣味性の高い乗り物として考え、「休日に眺めているだけでも満足できる特別感」を重視する人の場合、NC750Xでは物足りなく感じる可能性があります。
これは性能の優劣というより価値観の違いです。大型バイクを所有する非日常感を求めるなら別の車種、日常的に気軽に乗れる大型バイクを求めるならNC750Xという選び分けができます。
NC750Xで後悔につながりやすいデメリット

購入後の後悔を避けるためには、不人気という評判よりも、自分が気になる弱点を具体的に確認することが重要です。特に車重、DCTの好み、荷物の載せ方などは購入前に確認しておきたい部分です。
MT216kg・DCT226kgで軽いバイクではない
現行モデルの車両重量はMTが216kg、DCTが226kgです。走行中は安定感につながりますが、駐車場で押し歩きしたり、傾いた車体を支えたりすると重量を感じる可能性があります。
シート高は800mmなので、極端に高い部類ではありません。しかし足つきは身長だけでなく、股下やシート形状、靴などでも変わります。大型バイクに慣れていない人ほど、カタログ値だけでは判断せず実車にまたがったほうが安全です。
特にDCTを選ぶ場合はMTより10kg重くなります。変速操作の負担を減らせるメリットと、押し引き時の重量増を比較する必要があります。
DCTが便利でも「自分で変速したい人」には合わない
DCT仕様は、クラッチ操作をせず自動変速できることが大きな特徴です。ATモードに加え、スイッチを使って任意に変速するMTモードも用意されています。2025年モデルではDCTの油圧制御も更新され、より自然なスロットルレスポンスとスムーズな変速が目指されています。
渋滞や長距離ツーリングでは非常に便利ですが、クラッチレバーを操作し、シフトペダルで変速する一連の動作そのものが好きな人には物足りない可能性があります。
DCTは「MTより上」という装備ではなく、楽しみ方の違うトランスミッションです。DCTが気になる人はスペックだけで決めず、可能であれば購入前に試乗するのがおすすめです。
荷物の載せ方によっては給油時に気を使う
NC750Xは一般的なバイクで燃料タンクが配置される場所に、23Lのラゲッジボックスを備えています。ヘルメットの種類や形状によっては収納でき、日常利用では非常に便利な装備です。
一方、燃料給油口はリアシート側にあります。リアシートへ大きなバッグを固定している場合、積載方法によっては給油時に荷物をずらす必要が出る可能性があります。
トップケースを中心に使う人なら大きな問題になりにくいものの、キャンプ用品をリアシートへ大量に積む人は、給油口へアクセスできる積載方法を考えておくと安心です。
不人気説とは逆にNC750Xならではのメリットも大きい

NC750Xが現在まで販売され続けているのは、他車では代替しにくい特徴を持っているからです。特に燃費、収納、DCTの組み合わせは、日常からロングツーリングまで使う人にとって強い魅力になります。
WMTCモード26.5km/Lで大型として燃費を期待しやすい
現行NC750XのWMTCモード燃費は26.5km/L、燃料タンク容量は14Lです。単純計算では26.5km/L×14Lで371kmとなります。
実際の燃費や航続距離は交通状況、気温、速度、荷物、乗り方などによって変わるため371km走れることを保証する数字ではありません。それでも、大型バイクで燃料代や給油頻度を抑えたい人にとって魅力的な設計です。
ツーリング回数が多い人ほど、瞬間的な最高出力より燃費や航続距離の差を実感する場面が増えます。NC750Xの評価が長期利用で高まりやすい理由の一つと考えられます。
23Lラゲッジボックスは日常利用で便利
通常の燃料タンク位置に設けられた23Lラゲッジボックスは、NC750Xを特徴付ける装備です。Hondaはフルフェイスヘルメットも収納可能と案内していますが、形状や大きさによって入らない場合があるため確認が必要です。
ヘルメットだけでなく、レインウェアやグローブ、小物などを車体へ収納できるため、毎回トップケースを装着しなくても一定の荷物を持ち運べます。
バイクを「休日だけの趣味」ではなく、通勤・買い物・ツーリングまで使いたい人にとって、最高出力では表れない大きなメリットです。
2025年モデルは装備面も改善されている
2025年モデルではフロントまわりのデザイン変更だけでなく、新デザインホイール、フロントダブルディスクブレーキ、5インチフルカラーTFTメーター、Honda RoadSyncなどが採用されました。
スマートフォンと連携するHonda RoadSyncを利用すれば、対応するナビゲーションや音楽などの機能を利用できます。使用には条件や対応機器があるため、詳細は公式情報を確認してください。
「NC750Xは昔から変化していない実用車」という印象を持っている場合、現行モデルを見ると評価が変わる可能性があります。
| 現行NC750X | MT | DCT |
|---|---|---|
| メーカー希望小売価格 | 997,700円 | 1,069,200円 |
| 排気量 | 745cc | 745cc |
| 最高出力 | 58PS | 58PS |
| 車両重量 | 216kg | 226kg |
| シート高 | 800mm | 800mm |
| WMTCモード燃費 | 26.5km/L | 26.5km/L |
| ラゲッジボックス | 23L | 23L |
価格・仕様は変更される場合があるため、購入時にはHonda NC750X公式サイトで最新情報を確認してください。
NC750Xを買って後悔しやすい人・満足しやすい人

NC750X選びでは、「人気があるか」よりも自分の用途と一致しているかを考えることが重要です。向いている人と向いていない人が比較的はっきりしたバイクだからです。
後悔しやすいのは刺激を最優先する人
大型バイクらしい強烈な加速、高回転エンジン、軽快なスポーツ走行などを最優先する人は、NC750Xを購入すると物足りなさを感じる可能性があります。
特に「750ccだからかなり速いだろう」という排気量だけのイメージで購入するのは避けたほうがよいでしょう。NC750Xは58PSという数値からも分かるように、速さだけを追求した750ccではありません。
また、クラッチ操作やシフトチェンジをバイクの楽しさとして重視する場合、DCTよりMT仕様のほうが満足できる可能性があります。
ツーリング中心ならNC750Xの長所を生かしやすい
長距離を無理なく走りたい人、燃費を重視する人、荷物を収納したい人、渋滞でクラッチ操作を減らしたい人にはNC750Xが向いています。
特にDCT仕様は、信号の多い市街地から高速道路、長距離ツーリングまで変速操作の負担を抑えられます。バイクで全国を回るような使い方では、最高出力の差より疲れにくさを重視する考え方も合理的です。
速さ・刺激・高回転を重視するなら他車も比較し、燃費・収納・DCT・長距離の楽さを重視するならNC750Xを有力候補にする、という選び方が分かりやすいでしょう。
通勤と休日ツーリングを1台で済ませたい人とも相性がよい
NC750Xの特徴は、趣味専用に振り切っていないことです。ラゲッジボックスや燃費性能は普段使いに役立ち、高速道路を使う長距離移動にも対応できる排気量があります。
複数台を所有できない人が「通勤にも使えて、休日には高速道路を使ったロングツーリングもしたい」と考える場合、バランスのよい選択肢になります。
反対に、すでに通勤用の小排気量車を所有しており、2台目は完全な趣味車として刺激を求めるのであれば、NC750Xの実用性を持て余す可能性があります。
中古のNC750Xは狙い目?購入前に確認したいポイント

NC750Xは長く販売されているため、中古車では年式によって仕様が大きく異なります。「NC750X」という車名だけで比較するのではなく、世代、MT・DCT、走行距離、整備履歴などを確認することが重要です。
価格だけでなく世代の違いを確認する
中古車では初期型から現行に近いモデルまで流通しているため、価格差が大きくなります。安い車両を見つけても、現行型と同じ装備だと思い込まないよう注意してください。
特に2021年モデルではフレームや車体、エンジン、電子制御など広い範囲で改良が行われました。2025年モデルではさらにTFTメーター、RoadSync、フロントダブルディスクなどが採用されています。
価格重視なら旧型にも魅力がありますが、新型の装備を期待するのであれば年式と型式を確認することが大切です。
DCT車は実際に操作して違和感がないか確認する
中古車でもDCT仕様はNC750Xを代表する選択肢です。ただし、これまでMT車しか乗ったことがない人は、クラッチレバーやシフトペダルがない操作感に最初は違和感を覚える可能性があります。
可能であれば試乗し、発進、低速走行、停止、Uターンなどで自分に合うか確認すると安心です。DCTが合えばNC750Xの利便性を最大限生かしやすくなりますが、合わなければMTを選べます。
リコールの対象・対策状況も確認する
中古車を購入する場合はリコール対応状況も確認しましょう。NC750Xでは過去に複数の市場措置があり、2025年6月26日にも前輪タイヤに関するリコールが届け出られています。
リコールがあったこと自体を過度に恐れる必要はありませんが、対象車両であれば必要な改善措置が実施されているかを確認することが重要です。車台番号を使えばHondaのリコール情報から対象か確認できます。
最新の市場措置についてはHonda 二輪車リコール・改善対策情報で確認できます。
NC750Xが不人気という評判だけで候補から外す必要はない
NC750Xが不人気と言われやすい最大の理由は、一般的な大型バイクとは評価されるポイントが違うことです。745ccながら最高出力は58PSで、高回転の刺激や圧倒的な速さを求めるモデルではありません。車重もMT216kg、DCT226kgあり、軽量スポーツモデルのような性格でもありません。
その代わり、WMTCモード26.5km/Lの燃費性能、23Lラゲッジボックス、アップライトな乗車姿勢、DCT仕様の設定など、日常とツーリングで役立つ特徴が揃っています。現行モデルでは装備面もアップデートされています。
結局のところ、NC750Xは「人気がないから避けるバイク」ではなく、「何を求めるかによって評価が大きく変わるバイク」です。刺激や高出力を最優先するなら他車も比較する価値がありますが、燃費、収納、扱いやすさ、長距離移動の快適性を重視するなら、むしろNC750Xならではの強みがはっきりしています。
購入を検討する際はネット上の「不人気」「つまらない」という言葉だけで判断せず、MTとDCTの違いや車重、足つき、エンジン特性を実車で確認し、自分の使い方に合っているかを基準に選ぶのがおすすめです。


