PCX125の空気圧を確認したいとき、「前後で何kPaにすればいい?」「2人乗りでは変える必要がある?」「昔のPCXも同じ?」と迷うことがあります。特にPCXはモデルによって2人乗車時の指定値が異なるため、ネット上の数値だけを見て判断すると間違える可能性があります。
Honda公式の取扱説明書では、現在掲載されているPCX(8BJ-JK05)は1人乗車時が前輪200kPa・後輪225kPa、2人乗車時は前輪200kPa・後輪250kPaです。この記事では、PCX125の適正空気圧から旧型との違い、測定するタイミング、空気の入れ方、空気圧が高すぎる・低すぎる場合の注意点までわかりやすく説明します。
PCX125の空気圧は前200kPa・後225kPaが基本

まず知っておきたいのは、PCX125の空気圧は前後同じではないということです。Honda公式の取扱説明書で現在確認できるPCX(8BJ-JK05)の指定空気圧は、1人乗車時で前輪200kPa、後輪225kPaとなっています。
さらに、2人乗車時には後輪だけ250kPaへ上げる指定です。普段1人で乗っている人がタンデムをするときは、この違いを見落とさないようにしましょう。
| 乗車条件 | 前輪 | 後輪 |
|---|---|---|
| 1人乗車時 | 200kPa 2.00kgf/cm² |
225kPa 2.25kgf/cm² |
| 2人乗車時 | 200kPa 2.00kgf/cm² |
250kPa 2.50kgf/cm² |
上の表の「
」という表記は不要なので、実際には次のように覚えると簡単です。1人なら前200・後225kPa、2人なら前200・後250kPaです。
現行JK05は2人乗りで後輪を250kPaにする
PCX125は後輪側にエンジンや駆動系があり、乗員や荷物による荷重の影響も後輪に大きくかかります。現在Hondaが公開しているPCXの取扱説明書では、1人乗車時の後輪225kPaに対し、2人乗車時は250kPaとされています。
「PCXは前200・後225」とだけ覚えている人は注意が必要です。この数値は1人乗車時には正しいものの、現在のJK05で2人乗りをする場合には後輪の指定値が異なります。タンデムをする機会が多い人ほど、車体の取扱説明書に記載された乗車条件別の値を確認しておくと安心です。
kPa・kgf/cm²・bar・psiは単位が違うだけ
空気入れやエアゲージによっては「kPa」ではなく「bar」や「psi」で表示されるため、数値が違って見えることがあります。しかし、単位を換算すれば同じ圧力です。
| kPa | kgf/cm² | bar | psiの目安 |
|---|---|---|---|
| 200kPa | 2.00kgf/cm² | 2.00bar | 約29psi |
| 225kPa | 2.25kgf/cm² | 2.25bar | 約33psi |
| 250kPa | 2.50kgf/cm² | 2.50bar | 約36psi |
日本のバイクではkPa表記を見る機会が多いものの、海外製の電動空気入れではbarやpsiが初期表示になっていることがあります。表示単位を間違えると大きく空気圧がずれるため、入力前に単位を確認してください。
JF28・JF56・JF81など旧型は同じとは限らない
PCX125には初代JF28、JF56、JF81、現在のJK05など複数の型式があります。旧型では前輪200kPa・後輪225kPaが指定され、JF28やJF81では1人乗車時と2人乗車時で同じ値が案内されているモデルがあります。
そのため、古いPCXの記事を読んで「2人乗りでも後輪225kPa」と覚えている人と、現在のJK05で「後輪250kPa」と認識している人の情報が食い違うことがあります。これは必ずしもどちらかが間違っているのではなく、参照している型式が違うことが原因です。
PCX125の空気圧は冷えたタイヤで測る

指定値を知っていても、測定するタイミングが適切でなければ正確な調整ができません。タイヤ内部の空気は温度によって圧力が変化するため、Hondaはタイヤが冷えた状態で空気圧を点検するよう案内しています。
走行直後に指定値まで空気を抜かない
走行するとタイヤが変形を繰り返し、路面からの熱も受けるため、タイヤと内部の空気が温まります。すると空気圧は走行前より高く表示されることがあります。
例えば、走行後に後輪が指定値より高く表示されたからといって、その場ですぐ225kPaまで空気を抜いてしまうと、タイヤが冷えたときに指定値を下回る可能性があります。基本は朝の走行前など、タイヤが十分に冷えている状態で測定するのがわかりやすい方法です。
空気圧は「走った後の数値」ではなく、冷間時の指定値に合わせることが基本と覚えておきましょう。
少なくとも1か月に1回はエアゲージで確認する
タイヤに穴が開いていなくても、空気は時間とともに少しずつ抜けていきます。Hondaは、見た目だけでは空気圧不足がわかりにくい場合もあるため、少なくとも1か月に一度はタイヤゲージを使って確認するよう案内しています。
毎日の通勤や通学でPCX125を使っている場合は、給油や洗車のタイミングと空気圧チェックをセットにしておくと管理しやすくなります。長距離を走る予定がある場合も、出発前に確認しておくと安心です。
見た目や指で押した感覚だけでは判断しにくい
PCX125のタイヤはチューブレスタイヤで、多少空気圧が下がっていても外観だけでは違いがわかりにくいことがあります。「タイヤがつぶれて見えないから大丈夫」と判断するのはおすすめできません。
空気圧を管理するなら、数値を確認できるエアゲージを使うのが確実です。ガソリンスタンドなどの空気入れを利用する場合でも、機器によって測定値に多少の差が出る可能性があるため、普段使うゲージを決めておくと変化を把握しやすくなります。
PCX125の空気圧が低いと燃費や操縦性にも影響する

タイヤの空気圧は、単にパンクを防ぐためだけに管理するものではありません。車体を支え、曲がる、止まる、加速するといった動きに関係するため、適正値から大きく外れればPCX125の乗り味にも影響します。
空気圧不足ではタイヤが必要以上に変形する
空気圧が低い状態では、車重を支えたときのタイヤのたわみが大きくなります。転がり抵抗が増えるため、車体が重く感じたり、燃費が悪化したりする原因になります。Hondaも二輪車のタイヤについて、空気圧が低いと燃費が悪くなることを案内しています。
さらに、適正な形で接地しにくくなることで操縦性が変化したり、タイヤが異常に摩耗したりする可能性があります。「最近ハンドリングが重い」「以前より燃費が悪い」と感じたときには、空気圧も確認したい項目の一つです。
極端に低い場合はパンクも疑う
1か月程度で少し低下すること自体は珍しくありません。しかし、空気を入れても短期間で大きく下がる場合や、前輪または後輪だけ極端に低くなる場合は、単なる自然減少とは限りません。
釘などの異物、タイヤの損傷、エアバルブ周辺からの漏れなどが考えられます。空気を補充するだけで繰り返し乗り続けるのではなく、原因を確認する必要があります。異物が刺さっている場合も、状態によっては抜いた瞬間に急激に空気が漏れるため、無理に自分で抜かず販売店やタイヤショップへ相談したほうが安全です。
空気圧不足はタイヤ寿命にも関係する
適正空気圧から外れた状態が続けば、タイヤの一部分だけが早く減る偏摩耗につながることがあります。空気圧不足ではタイヤの両肩側に負担が偏りやすく、本来使えるはずだったタイヤを早く交換することにもなりかねません。
PCX125は通勤などで走行距離が伸びやすい車種です。わずかな空気圧不足でも長期間そのまま走れば影響が積み重なります。月に一度数分確認するだけでも、タイヤの状態を把握する機会として意味があります。
空気圧を高めに入れすぎるのもおすすめできない

空気圧が低いと燃費に影響するなら、「高めに入れれば転がり抵抗が減って得なのでは」と考えるかもしれません。しかし、メーカー指定値を大きく超えて入れることは、PCX125本来のタイヤ性能や乗り心地を崩す原因になります。
高すぎると乗り心地が硬くなりやすい
タイヤには、内部の空気とタイヤ自体の変形によって路面からの細かな衝撃を吸収する役割があります。空気圧を必要以上に高くするとタイヤがたわみにくくなり、段差や荒れた路面から受ける衝撃を強く感じやすくなります。
「空気を多く入れるほど良い」というものではありません。PCX125は車両重量、タイヤサイズ、乗車人数などを考慮して指定空気圧が決められているため、公道で通常使用するならまずメーカー指定値を基準にするのが適切です。
タイヤ側面の最大空気圧を指定値と勘違いしない
タイヤのサイドウォールにはサイズや荷重指数などさまざまな情報が記載されています。そこで見つけた高い圧力の数値を「このタイヤに入れるべき空気圧」と考えてしまうのは注意が必要です。
タイヤメーカーも、公道用バイクの空気圧については車両メーカーが指定する値に従うよう案内しています。タイヤに表示された最大荷重時の圧力などは、そのバイクの日常走行における推奨空気圧を意味するものではありません。
通常の公道使用では、タイヤを交換したという理由だけでサイドウォール記載の最大値へ合わせるものではありません。基本はPCX125の車両指定値を確認します。特殊なタイヤやサイズ変更をしている場合は、装着したタイヤのメーカーや作業を依頼した販売店へ確認してください。
燃費だけを目的に空気圧を上げない
空気圧を高めれば転がり抵抗が変わる可能性はありますが、バイクでは燃費だけでなく、タイヤの接地状態や操縦性、制動、乗り心地まで含めて考える必要があります。わずかな燃費差を期待して指定値から大きく外すメリットは大きくありません。
空気圧が低すぎても高すぎてもタイヤの性能を十分に発揮できなくなる可能性があります。日常使用では「自分好みの数字を探す」ことより、まずメーカーの指定値を維持することを優先すると判断しやすいでしょう。
PCX125の空気圧を自分で入れる方法

PCX125の空気圧調整は、対応する空気入れとエアゲージがあれば自分でもできます。頻繁にバイク店へ行けない人なら、自宅で確認できる環境を用意しておくと空気圧不足を放置しにくくなります。
空気入れは米式バルブ対応を選ぶ
一般的なバイクのタイヤバルブには、自動車と同系統の米式バルブが使われています。そのため、バイク対応の電動空気入れやコンプレッサーのほか、米式バルブに対応する自転車用フロアポンプでも空気を入れられる場合があります。
ただし、PCX125はホイール周辺のスペースが限られるため、空気入れの口金が大きいとバルブへ取り付けにくいことがあります。購入するときは最高圧力だけでなく、ホースの長さや口金の形状も確認しておくと使いやすくなります。
空気圧調整の基本手順
作業自体は難しくありません。タイヤが冷えている状態で現在の空気圧を確認し、不足していれば少しずつ補充します。入れすぎた場合はエアゲージなどの減圧機能を使い、指定値へ戻します。
基本は「冷間時に測定 → 指定値を確認 → 空気を補充 → エアゲージで再測定 → バルブキャップを確実に取り付ける」という流れです。
空気入れをバルブから外す瞬間に「シュッ」と音がしても、ホース側に残った空気が抜けているだけの場合があります。ただし、接続や取り外しに時間がかかればタイヤ側からも多少抜けるため、最後にもう一度エアゲージで確認すると確実です。
ガソリンスタンドで入れる場合も単位を確認する
ガソリンスタンドに設置されている空気入れを利用できる場合もあります。ただし設備は店舗ごとに異なり、バイクのバルブへ口金を装着しにくい機種もあります。
設定できる場合は、1人乗車のJK05なら前輪200kPa、後輪225kPaが基準です。機械がbar表示なら前2.0bar・後2.25bar、psi表示なら前約29psi・後約33psiが目安になります。2人乗車時の後輪は250kPa、つまり2.5bar・約36psiです。
PCX125の空気圧がすぐ減るときに確認したいこと

タイヤの空気は自然に減るため、数週間から数か月で多少低下することだけで故障とは判断できません。ただし、明らかに減り方が速い場合にはタイヤやバルブに問題がないか確認が必要です。
釘やネジなどの異物が刺さっていないか
チューブレスタイヤは小さな釘などが刺さっても、その異物自体が穴をふさぐ形になり、すぐには完全に空気が抜けない場合があります。「普通に走れるからパンクではない」とは限りません。
タイヤの接地面を一周確認し、金属片などが刺さっていないか見てください。ただし、異物を見つけたからといってその場で抜くと、空気漏れが急激になる可能性があります。安全に走行できる状態か判断できない場合は、ロードサービスやバイク店へ相談するほうが適切です。
エアバルブから漏れていることもある
空気漏れの原因はタイヤ本体だけではありません。空気を入れるエアバルブや、その根元が劣化して漏れることもあります。タイヤは問題なさそうなのに空気圧が何度も下がる場合には、バルブ周辺も点検対象になります。
特に長期間使用している車両では、タイヤ交換時にバルブの状態も確認してもらうとよいでしょう。バルブキャップも単なる飾りではないため、点検後は忘れずに取り付けてください。
気温が下がる時期は数値も変化しやすい
タイヤ内部の空気は温度の影響を受けるため、季節が進んで気温が大きく下がったときには、以前より空気圧が低く表示されることがあります。秋から冬にかけて「最近急に空気圧が下がった」と感じても、すべてがパンクとは限りません。
ただし、気温による変化なのか空気漏れなのかを見た目だけで判断するのは困難です。指定値へ調整した日と数値を記録し、短期間で再び大幅に下がるか確認すると異常を判断しやすくなります。
年式やタイヤを変更しているPCX125は指定値を再確認する

PCX125は長く販売されているため、中古車では型式もタイヤもさまざまです。検索で見つけた数値をそのまま使うのではなく、自分のPCXがどの型式なのかを確認してから空気圧を合わせることが重要です。
「PCX125」という車名だけでは判断しない
代表的なPCX125にはJF28、JF56、JF81、JK05などがあります。世代が変わるにつれてタイヤサイズも変更されており、現在のJK05では前輪110/70-14M/C 50P、後輪130/70-13M/C 63Pが採用されています。
一方、JF81は前100/80-14、後120/70-14、さらに以前のJF28やJF56は前90/90-14、後100/90-14という構成です。車名が同じでも足まわりの仕様は同一ではありません。
| 型式 | 前輪サイズ | 後輪サイズ | 空気圧確認時のポイント |
|---|---|---|---|
| JF28 | 90/90-14 | 100/90-14 | 旧型の取扱説明書を確認 |
| JF56 | 90/90-14 | 100/90-14 | 旧型の取扱説明書を確認 |
| JF81 | 100/80-14 | 120/70-14 | 前200・後225kPaが基準 |
| JK05 | 110/70-14 | 130/70-13 | 2人乗車時は後250kPaに注意 |
特に検索記事では型式を書かずに「PCXの空気圧」とだけ紹介しているケースがあります。数値だけを見るのではなく、対象になっている型式や年式まで確認することが重要です。
社外タイヤでも基本は車両メーカー指定値から確認する
純正装着タイヤから別メーカーのタイヤへ交換しているPCX125も珍しくありません。その場合でも、公道で標準サイズの適合タイヤを使用するのであれば、まず車両メーカーが指定した空気圧を確認するのが基本です。
ただし、純正とは異なるサイズへ変更している場合や、特殊用途のタイヤを使用している場合は話が変わります。カスタムによって前提条件が変わっているため、一般的なPCX125の指定値だけで判断せず、タイヤメーカーや交換作業を行った専門店へ確認してください。
迷ったときはHondaの取扱説明書を基準にする
空気圧についてネット上で異なる数値を見つけた場合、最も優先したいのは自分の車両に対応する取扱説明書です。現在Honda公式サイトに掲載されているPCXの取扱説明書でも、タイヤサイズや乗車人数別の空気圧を確認できます。
現行PCXの情報はHonda Owners Manual「PCX/PCX160 スペック」で確認できます。また、Hondaは二輪車の日常点検でも、少なくとも1か月に一度のタイヤゲージによる確認と、冷えた状態での調整を案内しています。
PCX125の空気圧は指定値を基準に定期チェックしよう
PCX125の空気圧は、現在Hondaが掲載しているJK05の場合、1人乗車時は前輪200kPa・後輪225kPaです。2人乗車時は前輪200kPaのままですが、後輪は250kPaに指定されています。
空気圧は走行すると温度の影響で高くなるため、タイヤが冷えた状態で測定することが大切です。見た目だけでは不足を判断しにくいため、少なくとも1か月に一度はエアゲージを使って確認しましょう。
旧型のJF28・JF56・JF81と現在のJK05ではタイヤサイズや乗車条件別の指定が同じとは限りません。PCX125だから一律の数値だと考えず、自分の型式に対応した取扱説明書の指定値を使うことが最も重要です。空気を補充しても短期間で大幅に減る場合はパンクやバルブ不良の可能性もあるため、早めに販売店などで点検を受けてください。


