「CB400SSは不人気なのでは?」と気になり、中古で買って後悔しないか迷っている人も多いでしょう。CB400SSは空冷400cc単気筒という魅力的な構成を持ちながら、同時代にはヤマハSR400という非常に強いライバルが存在しました。
結論からいえば、CB400SSは性能が低いために不人気になったバイクとは言い切れません。むしろ、SR400ほど強いブランドイメージを築けなかったことや、発売初期がキック始動のみだったことなどが影響しています。現在の中古車は極端に安いわけでもなく、状態のよい車両には相応の価格が付いています。この記事では、不人気と言われる理由から魅力、弱点、SR400との違い、中古車選びまで整理します。
CB400SSは不人気なのか?結論は「人気車の陰に隠れたバイク」

CB400SSについて「不人気車」とひとまとめにするのは少し乱暴です。当時の販売規模やSR400との知名度差を見ると、400cc単気筒の代表的存在になれなかったのは事実ですが、それだけで車両そのものの評価が低かったとは判断できません。
発売当時からSR400という強力なライバルがいた
HondaはCB400SSを2001年10月に発売しました。Hondaの発売時ニュースリリースによると、国内年間販売計画は2,500台です。空冷4ストローク単気筒エンジンとベーシックなデザインを特徴としていました。
一方、ヤマハSR400は1978年から販売されていたロングセラーです。ヤマハ発動機の2002年発表資料では、2001年に4,223台を販売し、小型二輪のベストセラーになったとされています。
つまりCB400SSが登場した時点で、SR400には20年以上かけて形成された知名度とファン層がありました。新しく登場したCB400SSが同じ土俵で比較されたこと自体、不利な条件だったと考えられます。
Honda自身は若者や女性からの人気も説明していた
「CB400SSは発売当時からまったく売れなかった」と考えるのも正確ではありません。2003年にはセルスターターを追加し、国内年間販売計画を3,000台に設定しています。
さらにHondaの2006年ニュースリリースでは、CB400SSについて「20代を中心に女性にも人気の高いHondaのロードスポーツバイク」と説明しています。メーカー発表なので市場全体の人気順位を示すデータではありませんが、少なくとも完全に支持を得られなかったモデルというわけではありません。
現在の中古価格を見ても「不人気だから激安」ではない
生産終了から長い年月が経過した現在も、中古市場にはCB400SSが流通しています。2026年8月時点のグーバイクのCB400SS検索結果では数十台規模の在庫が確認でき、30万円前後から60万円を超える車両まで価格に幅があります。
特に低走行車やノーマルに近い車両、後期型などは高めの価格で掲載されることがあります。掲載価格は実際の成約価格ではなく日々変動しますが、少なくとも「不人気だから中古なら格安で買える」という状況ではありません。
CB400SSの不人気説は、現在の価値が低いという意味よりも、「新車販売当時にSR400ほど定番化しなかった」という意味で捉えると理解しやすくなります。
CB400SSが不人気と言われる主な理由

CB400SSが不人気と言われる背景には、致命的な欠点が一つあるわけではありません。ライバルとの関係、商品としてのキャラクター、発売時期など複数の要素が重なっています。
SR400のブランド力が圧倒的に強かった
最大の理由として外せないのがSR400の存在です。CB400SSが発売された2001年、SR400はすでに登場から23年を迎えていました。同年モデルについてヤマハは、前年の2000年にも約3,500台を販売したと公表しています。
SR400はキック始動、空冷単気筒、クラシカルな外観という特徴そのものがブランドになっていました。そのため同じ400cc単気筒のクラシック系ロードスポーツを探す人にとって、まずSR400が候補になる状況ができあがっていたのです。
CB400SSには29PSという最高出力や軽い車体など独自の長所がありましたが、「400ccのクラシックなシングルといえばSR」というイメージを崩すほどの差別化は難しかったと考えられます。
初期型はキック始動のみだった
2001年に発売された初期型CB400SSはキック始動のみでした。オートデコンプ機構を採用して始動操作を補助していたものの、セルボタンだけでエンジンを始動できるバイクに慣れている人にはハードルになります。
しかも競合するSR400もキック始動が特徴だったため、CB400SSを選ぶことで始動の手軽さという明確なメリットを得られたわけでもありません。
Hondaはこの点を改善し、2003年12月発表モデルからセルとキックを併設しました。中古車として実用性を重視するなら、セルスターターを搭載した2003年12月以降の仕様は有力な選択肢です。
単気筒らしさを期待すると穏やかに感じる場合がある
CB400SSは397ccの空冷単気筒エンジンを搭載していますが、Hondaは振動を抑えるバランサーも採用しています。これは長時間走行の快適性という点ではメリットですが、荒々しい振動や強烈な「ドコドコ感」を単気筒に求める人には穏やかに感じられる可能性があります。
実際のオーナーレビューでも、軽さや扱いやすさを評価する声がある一方、エンジンフィーリングや排気音を物足りなく感じる意見も見られます。
ここは性能の優劣というより好みです。振動が強ければ楽しい人もいれば、疲れにくいほうを評価する人もいます。「単気筒=激しい鼓動感」と考えて購入すると、想像との違いが後悔につながる可能性があります。
「何が一番の売りなのか」が伝わりにくかった
CB400SSの「SS」はStandard Singleを意味します。その名前の通り、Hondaが目指したのは奇抜なバイクではなく、シンプルで扱いやすい400ccシングルでした。
ところが商品として見ると、この真面目さが弱点にもなります。SR400には長い歴史とキック始動という象徴的な個性があり、CB400 SUPER FOURには4気筒ならではの高回転性能がありました。CB400SSはその中間で「普通によくできた単気筒」という立ち位置になりやすかったのです。
つまり、欠点が多かったからというより、比較対象のキャラクターが強すぎたことでCB400SSの良さが目立ちにくかったと考えることができます。
不人気だけでは判断できないCB400SSの魅力

中古車選びで重要なのは、過去の人気順位ではなく、自分の使い方に合っているかです。CB400SSには現在でも魅力になる特徴が複数あります。
400ccとして比較的軽く取り回しやすい
2001年発売時のCB400SSは車両重量153kg、乾燥重量139kgでした。セルスターターを追加した後のモデルでも車両重量159kgです。400ccの車体としては比較的軽く、駐車場での押し引きや方向転換がしやすいことは大きなメリットです。
最高出力は29PS、最大トルクは31N・mです。絶対的な速さを狙った性能ではありませんが、低中速を中心に一般道を走るバイクとして扱いやすい構成になっています。
大型バイクのような重量や出力を必要とせず、250ccより余裕のある単気筒に乗りたい人には、現在でも成立するパッケージです。
後期型ならセルとキックの両方を使える
2003年12月に発表された改良では、キックに加えてセルフ式スターターが装備されました。普段はセルで簡単に始動し、キック始動そのものも楽しめます。
SR400では最終モデルまでキック始動がアイデンティティーとして残りました。それが魅力でもありますが、通勤や頻繁な街乗りではセルが便利なのも事実です。
クラシカルな単気筒に乗りたいものの、始動方法まで不便である必要はないという人にとって、セル付きCB400SSはバランスのよい選択肢です。
見た目がシンプルで時代に左右されにくい
丸型ヘッドライト、ティアドロップ形状の燃料タンク、空冷単気筒エンジン、2本リアショックという構成は非常にオーソドックスです。発売から20年以上経った現在でも、極端に古いデザインには見えにくいでしょう。
流行を強く取り入れたデザインではないため、純正状態のままクラシックな雰囲気を楽しむこともできます。カフェレーサーやトラッカー方向のカスタムとも相性がよく、実際の中古市場にもさまざまなカスタム車が流通しています。
ただし中古車では、カスタムされていること自体を価値と考えるのではなく、施工内容や純正部品の有無を確認することが重要です。
スペックだけを見るとSR400に負けているわけではない
CB400SSは「SR400より遅いから売れなかった」と説明されることがありますが、主要諸元だけを見ると単純には言えません。CB400SSは29PS、31N・mで、同時期のSR400は27PS、29N・mでした。
もちろんバイクの楽しさは最高出力だけでは判断できません。エンジンの回り方、振動、音、ギア比、車体特性などによって体感は変わります。
CB400SSの不人気をスペック不足だけで説明するのは適切ではなく、ブランドや乗り味を含めたキャラクターの違いが大きかったと考えるべきです。
CB400SSのデメリットと購入後に後悔しやすいポイント

CB400SSには魅力がある一方、現代のバイクと同じ感覚で購入すると不満が出る可能性があります。特に現在は年式の古さを無視できません。
中古車は年式そのものが最大の注意点
HondaのCB400SS製品アーカイブでは、2001年の発売から2007年10月のカラー変更・特別仕様までモデル情報が掲載されています。つまり2026年現在、市場にある車両は相応に年数が経過しています。
この年代では「CB400SSだから壊れやすいか」だけを考えるより、個体ごとの保管状況と整備履歴を見ることのほうが重要です。ゴムホース、シール類、フロントフォーク、リアショック、チェーンやスプロケット、ベアリング、電装系などは年数による劣化が考えられます。
走行距離が少ない車両でも、長期間動かしていなければ必ず状態がよいとは限りません。メーターの数字だけで決めないことが大切です。
キャブレター車なので放置された個体には注意
CB400SSはキャブレターで燃料を供給するバイクです。電子制御燃料噴射の現行車と比べると、長期間放置された場合の燃料系の状態や、始動性を確認しておきたいところです。
中古車を見る際は冷間時からエンジンを始動できるか、アイドリングが極端に不安定ではないか、アクセルを開けた際に不自然な息つきがないかを確認するとよいでしょう。
社外マフラーや吸気系パーツへ交換されている車両では、キャブレターのセッティングとの組み合わせも重要です。見た目が好みでも、正常に走る状態になっているかは別問題です。
高速道路を中心に使う人には向きにくい
CB400SSは最高出力29PSの単気筒で、変速機は5速です。高速道路も走れますが、高速巡航を最優先して設計されたツアラーではありません。
速度が上がれば風圧を直接受けるネイキッドスタイルの影響も大きくなります。単気筒エンジンなので、一定の高回転を長時間使った際の振動を気にする人もいるでしょう。
街乗り、郊外の一般道、のんびりしたツーリングが中心なら長所を感じやすい一方、高速道路を使った長距離移動が多いなら、多気筒モデルやカウル付きモデルのほうが快適な場合があります。
11Lタンクなので航続距離には余裕を持ちたい
燃料タンク容量は11Lです。Hondaが公表した60km/h定地走行テスト値は39.0km/Lですが、これは一定条件で測定された数値であり、実際の燃費を保証するものではありません。
市街地の渋滞、気温、走り方、車両の整備状態などによって燃費は変化します。ロングツーリングではカタログ燃費だけを使って航続距離を計算せず、余裕を持って給油するほうが安心です。
CB400SSとSR400を比較すると違いがわかりやすい

CB400SSの評価を理解するには、発売当時から比較され続けてきたSR400との違いを見るのがわかりやすいでしょう。ここではセル付きCB400SSが登場した時期に近い仕様で比較します。
| 項目 | CB400SS | SR400 |
|---|---|---|
| 排気量 | 397cc | 399cc |
| エンジン | 空冷OHC4バルブ単気筒 | 空冷SOHC2バルブ単気筒 |
| 最高出力 | 29PS/7,000rpm | 27PS/7,000rpm |
| 最大トルク | 31N・m/5,500rpm | 29N・m/6,500rpm |
| 始動方式 | セル+キック | キック |
| 変速機 | 5速 | 5速 |
| シート高 | 790mm | 790mm |
| 燃料タンク | 11L | 12L |
| 車両重量 | 159kg | 168kg |
数値を見ると、CB400SSは最高出力と最大トルクでSR400を上回り、車両重量も軽い仕様でした。セルも使えるため、実用性ではCB400SSに利点があります。
それでもSR400のほうが圧倒的に有名になったことからも、バイクの人気はスペック表だけでは決まらないことがわかります。
便利さを選ぶならCB400SS
後期CB400SSの大きな利点はセルスターターです。エンジンが暖まっているときも、信号待ちなどで万一エンストしたときも、ボタンで再始動できます。
車両重量も比較的軽く、400ccシングルを気軽に使いたい人にはCB400SSが合理的です。「旧車風の雰囲気は欲しいが、不便さそのものを楽しみたいわけではない」という人には特に合っています。
歴史や儀式性を重視するならSR400
SR400の魅力は、単純なスペックでは説明できません。1978年から続いたデザインと機構、キックでエンジンを始動する操作そのものが商品価値になっています。
長期間販売されたためカスタム文化も大きく、SRという名前自体に強いブランドがあります。こうした背景を求める人にとっては、多少便利でもCB400SSが代わりにならないことがあります。
CB400SSはSR400の代用品として選ばないほうがよい
中古CB400SSを検討するときに避けたいのが、「SR400より安いから似たものとして買う」という選び方です。見た目や基本構成は近くても、エンジンフィーリングやブランドの背景まで同じではありません。
逆に、CB400SSそのものの軽さ、RFVC4バルブ単気筒、セルとキックの併設、Hondaらしいシンプルな外観が好きなら、SR400と比較して劣っていると考える必要もありません。
中古車では人気ランキングよりも、自分がその車種固有の特徴を気に入っているかのほうが満足度を左右します。
中古CB400SSを買うならここを確認したい

CB400SSはすでに新車で選ぶバイクではないため、購入時はモデル全体の評判以上に目の前の個体を見る必要があります。同じ価格でも状態によって購入後の負担が大きく変わります。
初期キック仕様かセル付き仕様かを最初に決める
大きな区切りは2003年12月の仕様変更です。それ以前の基本仕様はキック始動で、変更後はセルとキックの併設となりました。
キック始動を楽しみたい人なら初期型にも価値がありますが、初心者や通勤利用ではセル付きのほうが扱いやすいでしょう。セル付き車ではH・I・S・Sも採用されています。
中古サイトでは登録年とモデル年式が一致しない場合もあるため、「2003年式だから必ずセル付き」と決めつけず、実車のスタータースイッチや仕様を確認してください。
ノーマル車かカスタム車かは好みだけで決めない
CB400SSはカフェレーサー、トラッカー、ショートマフラーなどのカスタムが似合う車種です。そのため中古市場には改造車も少なくありません。
カスタム車を選ぶ場合は、マフラーの状態、吸気系とのセッティング、ハンドル変更時のケーブル類、灯火類、車検への適合などを確認したいところです。
純正に戻したくなる可能性があるなら、取り外されたノーマルパーツが残っているかも重要です。生産終了から時間が経っているため、「後から純正部品を集めればよい」と簡単には考えないほうがよいでしょう。
エンジンだけでなく足回りと消耗品を見る
購入前には冷間始動、アイドリング、異音、白煙や黒煙だけでなく、フロントフォークからのオイル漏れ、リアショック、タイヤの製造時期、ブレーキ、チェーン、スプロケットも確認します。
ステムやホイールベアリングのガタ、スポークの状態、タンク内部の錆、電装品の作動なども古い車両では重要です。可能であれば整備履歴や交換済み部品を販売店に確認してください。
走行距離2万kmの未整備車より、走行距離が多くても定期的に整備されてきた車両のほうが安心できるケースもあります。
中古相場は「安いCB400SS」ではなく総額で比較する
2026年8月時点では、CB400SSには30万円前後の掲載車から60万円以上の車両まであり、状態や年式、走行距離、カスタム内容によって価格差があります。ノーマルに近い低走行車にはさらに高い価格が付く例もあります。
比較する際は車両本体価格だけでなく、納車整備、車検、タイヤやバッテリーなどの交換予定、保証内容を含めて考えます。
数万円安い車両を探すことより、「購入直後にどこまで整備が必要なのか」を確認するほうが、中古CB400SSでは重要です。
価格よりも、セルの有無、ノーマル度、保管状態、整備履歴、消耗品の残量を優先して比較すると失敗しにくくなります。
CB400SSがおすすめな人・おすすめしにくい人

CB400SSは万能な400ccバイクではありません。しかし目的が合っていれば、現在でも魅力のある選択肢です。不人気という評判ではなく、自分の使い方との相性で判断しましょう。
CB400SSがおすすめな人
クラシカルなデザインが好きで、一般道を中心にゆったり走りたい人には向いています。400ccでありながら比較的軽いため、大型バイクほど重い車体を必要としない人にも扱いやすいでしょう。
特にセル付きモデルは、クラシックな空冷単気筒の雰囲気と日常的な利便性を両立しています。SR400ほど周囲と被りたくない人や、CB400SSそのもののデザインに魅力を感じる人にも適しています。
CB400SSをおすすめしにくい人
400ccらしい高出力を期待する人、高速道路を長時間走る人、最新バイクのような装備やメンテナンスの手軽さを求める人には、ほかの車種のほうが合う可能性があります。
また、「安い不人気車だから維持費もかからない」と考えている人にもおすすめしにくいでしょう。車種の人気と、20年近く経過した中古車を整備する費用は別の問題です。
「CB400SSが欲しい」と思えるなら候補にする価値がある
中古バイクの場合、人気車だから満足できるとは限りません。CB400SSの軽さやデザイン、空冷単気筒、セルとキックを選べる仕様に魅力を感じるのであれば、不人気という言葉だけで候補から外す必要はありません。
反対に、CB400SS自体には特別なこだわりがなく、単にSR400より安い車両を探しているだけなら、一度ほかの選択肢も含めて比較したほうがよいでしょう。
CB400SSは不人気という評判だけで避ける必要はない
CB400SSが不人気と言われる大きな理由は、車両性能そのものより、SR400という圧倒的なロングセラーと同じ400cc単気筒市場で競ったことにあります。初期型がキック始動のみだったことや、振動を抑えた乗り味なども、人によっては個性が弱いと感じる原因になりました。
一方で、397cc空冷単気筒で29PS、比較的軽い車体、後期型のセル+キックという構成には現在でも魅力があります。実際、中古市場でも極端な安値だけで取引されているわけではなく、状態のよい車両には相応の価格が付いています。
購入するなら「不人気だから安いかどうか」ではなく、年式による劣化や整備状態を確認し、自分が求める乗り方に合っているかで判断することが重要です。街乗りや一般道中心のツーリングを楽しみながら、シンプルな400ccシングルを気軽に所有したい人なら、CB400SSは十分検討する価値のあるバイクです。



