トリシティ125は、前2輪・後1輪という独自のLMW機構による安定感が魅力の原付二種スクーターです。一方で、「普通の125ccスクーターより重いのでは?」「三輪なら転ばない?」「維持費は高い?」といった欠点が気になり、購入を迷っている方も多いでしょう。
結論からいうと、トリシティ125の欠点は主に、車体の重さ、取り回し、足つき、加速感、収納性、価格・維持費の高さにあります。ただし、それらの多くはフロント2輪による安定感と表裏一体です。2026年モデルの最新仕様や生産終了予定も踏まえ、購入前に知っておきたい注意点を具体的に整理します。
トリシティ125の欠点は?購入前に知りたい7つのポイント

トリシティ125には明確な長所がありますが、一般的な125ccスクーターと同じ感覚で選ぶと「思っていたより大きくて重い」と感じる可能性があります。特に日常の取り回しや価格を重視する人は、フロント2輪のメリットだけで判断しないことが大切です。
| 欠点 | 気になりやすい場面 |
|---|---|
| 車体が重い | 駐輪場での押し引き、後退、方向転換 |
| 足つきが特別よいわけではない | 信号待ち、傾斜のある場所、低速時 |
| 125ccとして軽快な加速ではない | 発進、坂道、幹線道路への合流 |
| 三輪でも自立しない | 停止時、駐車時、Uターン時 |
| 収納が車体サイズの割に大きくない | 買い物、通勤、ツーリング |
| 車両価格が高い | 他の125ccスクーターとの比較 |
| 前輪が2本あるため整備項目が多い | タイヤ・ブレーキ・足回りの交換や整備 |
2026年モデルは車両重量173kg
2026年モデルのトリシティ125は、車両重量が173kgです。124ccのエンジンを搭載する原付二種として考えると、かなり重量感のある車体です。フロントに2輪と独自のサスペンション機構を備えるため、一般的な二輪スクーターより構造が複雑になり、その分重量も増えています。
走り始めればLMW機構による安定感がメリットになりますが、エンジンを切って押すときは別です。狭い駐輪スペースから車体を引き出したり、少し傾斜した場所で後ろ向きに動かしたりすると、173kgという数字を実感しやすくなります。
価格も125ccクラスとしては高め
2026年モデルのメーカー希望小売価格は572,000円です。登録費用や保険料などは別途必要になるため、実際の乗り出し価格はさらに高くなる場合があります。
単純に「近距離の通勤や買い物ができる125ccスクーター」が欲しいだけなら、より安価で軽量な選択肢は多数あります。トリシティ125は移動手段としての安さではなく、LMWによる走行安定性に価格差を払うモデルと考えると判断しやすいでしょう。
最大の欠点は重さと取り回しのしにくさ

トリシティ125で購入後に差を感じやすいのが、走行中よりも駐車場や自宅での取り回しです。前2輪だからハンドル操作が極端に重いというわけではありませんが、車体重量が大きいため、押し歩きでは軽量スクーターとの差がはっきり出ます。
狭い駐輪場では方向転換が大変
マンションの駐輪場や自転車と共用する狭いスペースでは、車体を何度も前後させて向きを変えることがあります。こうした場面ではトリシティ125の重さが欠点になります。特にハンドルを切った状態で車体が傾くと、支えるために必要な力が急に大きくなります。
50ccスクーターや100kg前後の軽量な原付二種から乗り換える場合は、走行性能以上に押し引きの違いを確認しておいたほうがよいでしょう。試乗できるなら、走るだけではなく、エンジンを切った状態で前後に動かしてみるのがおすすめです。
坂道や砂利の駐車場ではさらに扱いにくい
平坦な舗装路では問題なくても、少し傾斜した駐車場では印象が変わります。車体を後ろへ引きながら坂を上るような駐車環境では、毎日の負担になる可能性があります。
砂利や段差がある場所も注意したいところです。走行中は前2輪が安心感につながりますが、停止して人力で押す場面では重量そのものがなくなるわけではありません。自宅の保管場所までに段差や傾斜がある場合は、購入前に寸法だけでなく出し入れの動線まで確認しておきたいところです。
センタースタンド操作にも力が必要
重量のある車体では、センタースタンドを掛ける動作にも軽量スクーターとの差が出ます。正しい姿勢で体重を使えば操作できますが、腕の力だけで持ち上げようとすると負担を感じやすくなります。
毎日センタースタンドを使用する予定なら、販売店で実際に掛け外しを試しておくと安心です。体格や筋力によって「問題ない」と感じる人と「毎日は面倒」と感じる人の差が出やすいため、スペックだけでは判断しにくい部分です。
三輪でも転ばないわけではなく、足つきにも注意が必要

トリシティ125について最も誤解されやすいのが、「三輪だから停止しても倒れない」というイメージです。トリシティは一般的な固定式の三輪車とは仕組みが異なり、車体を傾けて曲がるLMWです。そのため停止時にはライダー自身が車体を支える必要があります。
停車すると足を地面につける必要がある
ヤマハも公式に、停車時には地面に足をついて車両を支える必要があると案内しています。トリシティ300に採用されているような車体の傾きを保持する機構を期待すると、イメージとの違いが大きくなります。
「前輪が2本だから立ちゴケしない」という車両ではありません。信号待ちや低速Uターンでは通常のバイクと同様にバランスを取る必要があり、傾いた車体を支えきれなければ転倒する可能性があります。
シート高770mmでも足つきは体格によって差が出る
2026年モデルのシート高は770mmです。数字だけを見ると極端に高くありませんが、足つきはシート高だけでは決まりません。シートや車体の横幅があると脚を真下へ伸ばしにくくなり、同じ770mmでも細身の車種より足が地面に届きにくく感じることがあります。
さらに車重が173kgあるため、つま先しか接地しない状態で車体が傾くと支える負担が増えます。小柄な人はシート高の数字だけを見ず、実車にまたがって両足または片足でどの程度支えられるか確認したほうが安心です。
前2輪でも滑りや転倒を完全には防げない
LMWは、フロント2輪による接地感や安定感が大きなメリットです。片側の前輪が路面の影響を受けても、もう一方の前輪が接地していることで挙動が安定しやすくなる場面があります。
しかし、濡れたマンホールや凍結路、砂、落ち葉などで絶対に滑らないわけではありません。後輪は1輪ですし、速度が高すぎれば三輪でも転倒します。安定感が高いことと、転倒しないことは別だと考えておく必要があります。
加速や高速走行では125ccと大きな車重が弱点になる

トリシティ125は最高出力12PSの124ccエンジンを搭載しています。日常の市街地走行には十分な性能ですが、173kgの車体を動かすため、軽量な125ccスクーターのような軽快な発進を期待すると物足りなく感じる可能性があります。
発進や再加速で軽快さを感じにくい
信号からの発進や低速からの再加速では、エンジン出力だけでなく車両重量も影響します。トリシティ125は安定感を重視したキャラクターなので、アクセルを開けた瞬間に勢いよく飛び出すタイプではありません。
街中を一定のペースで走る用途なら大きな問題にはなりにくい一方、キビキビした加速を楽しみたい人には性格が合わない可能性があります。坂道が多い地域や二人乗りを頻繁にする場合も、平坦な道を一人で走るときより余裕は小さくなります。
幹線道路では余裕を持った運転が必要
交通量が多く流れの速い幹線道路では、合流時に余裕のある加速が欲しくなる場面があります。トリシティ125でも一般道を走れますが、排気量はあくまで124ccです。
高い速度域での余裕を最優先するなら、トリシティ155など上位排気量のモデルも比較対象になります。ただし155は原付二種ではなくなり、維持費や免許条件も変わるため、単純な上位互換ではありません。
125ccなので高速道路は走れない
これはトリシティ固有の欠点ではありませんが、125cc以下の車両であるため高速道路を走ることはできません。遠出でも基本的には一般道を使うことになります。
通勤や近距離の買い物が中心なら問題ありませんが、休日に高速道路を使ったツーリングをしたい人には用途が合いません。高速道路を利用する可能性が少しでもあるなら、購入前に125と155のどちらが生活スタイルに合うか考えておく必要があります。
収納23.5Lは便利だが、車体サイズを考えると物足りない

トリシティ125のシート下トランク容量は約23.5Lです。ヘルメットを収納できる設計でLED照明も備えていますが、大柄な車体を見て「かなり荷物が入るだろう」と期待すると、意外に小さく感じることがあります。
ヘルメットは形状によって入らない場合がある
ヤマハはシート下トランクについて、ヘルメットの形状や大きさによって収納できない場合があると案内しています。フルフェイスや大型のヘルメットを使用している場合は、購入前に実物で収納確認をしたほうが確実です。
通勤バッグ、レインウェア、グローブなどを常時積んでいると、23.5Lはすぐに埋まります。スクーターだから何でもシート下へ収納できると考えないほうがよいでしょう。
荷物が多い人はトップケースが欲しくなりやすい
買い物や通勤で積載量を増やしたい場合、リアのトップケースを追加する方法があります。純正アクセサリーにもトランクマウントプレートや34Lトップケースが用意されています。
ただし、ケースや取付部品を追加すれば費用が増え、車体後方も大きくなります。もともと125ccクラスとしては高価格なモデルなので、必要な装備を揃えた総額で比較することが重要です。
足元の自由度も確認したい
トリシティ125はステップスルー構造で乗り降りしやすい一方、フロント2輪の機構を収めた独特の車体形状をしています。ライダーの身長や足のサイズによっては、一般的なスクーターとは足元の感覚が違うと感じる場合があります。
長時間走る人ほど、足をどこに置けるか、膝まわりに余裕があるかは重要です。スペック表には現れにくいため、実車にまたがって自然な姿勢を取れるか確認する価値があります。
価格だけでなくタイヤや足回りの維持費も考えておきたい

トリシティ125は購入価格だけでなく、長く乗ったときの整備費用も一般的な二輪スクーターとは少し考え方が異なります。フロントタイヤが2本あり、フロント周辺の構造も独自だからです。
フロントタイヤが2本ある
一般的なバイクは前後合わせて2本ですが、トリシティ125は前2本・後1本の合計3本です。そのため全輪を交換するタイミングでは、当然ながら交換するタイヤの本数が増えます。
3本すべてが同時に摩耗するとは限らないため、「毎回維持費が単純に1.5倍になる」と考えるのは正確ではありません。しかし、長期間所有すれば前輪2本分のタイヤ代や交換工賃が必要になる点は変わりません。
フロント周りの構造が一般的な二輪より複雑
トリシティの特徴であるLMW機構には、左右の前輪を自然に傾けながら操舵させるための独自構造が使われています。この仕組みこそ走行安定性の理由ですが、同時に一般的なスクーターよりフロント周りの部品点数が増える要因でもあります。
年数や走行距離が増えれば、タイヤだけでなくブレーキやサスペンションなどの消耗部品も整備対象になります。中古車を選ぶ場合は車両価格だけで判断せず、フロントタイヤやブレーキ、足回りの整備履歴も確認したいところです。
燃費自体は大きな欠点ではない
重量があるため燃費が極端に悪そうに見えますが、2026年モデルのWMTCモード値は45.4km/Lです。燃料タンク容量は7.2Lで、日常用125ccとして燃費性能そのものが致命的な欠点というわけではありません。
もちろん実際の燃費は、渋滞、気温、走り方、荷物、二人乗りなどによって変わります。維持費で差が出やすいのはガソリン代より、車両価格やタイヤ・足回りなどの整備費用と考えたほうが実態に近いでしょう。
2026年モデルを買うなら生産終了予定にも注意

トリシティ125を新車で検討している人にとって、現在はもう一つ重要なポイントがあります。ヤマハはトリシティ125について、2026年夏に生産終了予定と案内しています。
2026年モデルは装備が充実した一方で価格も上がった
2026年モデルでは外観が大きく変更され、4.2インチTFTディスプレイやスマートフォン連携、Turn by Turnナビゲーション、USB Type-C充電ソケットなどが採用されています。日常の使い勝手は従来型より充実しています。
一方、メーカー希望小売価格は572,000円となっています。125ccクラスで購入費用を重視する人にとっては、装備の充実がそのまま魅力になるとは限りません。「その装備にいくら払えるか」という視点で判断する必要があります。
155にあるTCSとESSは125には装備されない
2026年モデルのトリシティ125と155は外観がよく似ていますが、装備は完全に同じではありません。ヤマハの2026年モデル発表では、TCS(トラクションコントロールシステム)とESS(エマージェンシーストップシグナル)は155のみとされています。
フロント2輪というイメージから125にも同じ安全支援装備が付いていると思い込まないよう注意が必要です。ただし125にもABSが採用されており、基本的な制動時の安心感を高める装備は備わっています。
生産終了予定だからといって急いで買う必要はない
2026年8月時点で、ヤマハ公式サイトにはトリシティ125が「2026年夏 生産終了予定モデル」と表示されています。新車在庫は販売店ごとに異なるため、希望するカラーがある場合は早めに在庫状況を確認したほうがよいでしょう。
ただし、生産終了という理由だけで欠点を確認せず購入するのはおすすめできません。特に重量と足つきは購入後に変更しにくい部分です。中古車も含めれば選択肢は残るため、実車確認を優先したほうが後悔を減らせます。
2026年モデルを選ぶなら、「生産終了前に買えるか」だけでなく、173kgの重量を扱えるか、572,000円という価格にLMWの価値を感じるかを基準にすると判断しやすくなります。
トリシティ125が向いている人・向いていない人

トリシティ125は欠点が多いバイクというより、一般的な125ccスクーターとは優先している性能が違うモデルです。軽さや安さを削ってでも走行中の安定感を得たい人には魅力がありますが、用途が合わなければメリットより欠点が目立ちます。
向いているのは安定感を優先したい人
通勤距離が比較的長く、雨の日にも乗る機会が多い人はトリシティ125の特徴を活かしやすいでしょう。フロント2輪による接地感は独自性が高く、荒れた路面や路面状況が変化する場面で安心感につながります。
速さや軽快さより、落ち着いた走りを重視する人とも相性がよいモデルです。一般的な125ccスクーターではフロント周りに不安を感じる人にとっては、重量増を受け入れてでも選ぶ理由があります。
近所の買い物だけならメリットを活かしにくい
片道数km程度の買い物が中心で、駐輪場から何度も出し入れする使い方では、走行中の安定感より取り回しの重さが気になりやすくなります。
こうした用途では軽くて価格の安い125ccスクーターのほうが便利な場合があります。「三輪だから何となく安心そう」という理由だけで選ぶのではなく、自分がどの場面でメリットを得られるのか考えることが重要です。
購入前は試乗より押し引きと足つきを重視したい
走行中のトリシティ125は車重を感じにくく、前2輪の安定感もあって乗りやすいと感じる人が少なくありません。そのため試乗で走るだけでは、欠点を見落とす可能性があります。
購入前には、エンジンを切って押す、後ろへ引く、ハンドルを切る、センタースタンドを掛ける、両足を地面につける、といった動作まで試すのがおすすめです。トリシティ125で後悔しやすいポイントは、走り出した後よりも停車中に集中しています。
トリシティ125の欠点を理解して安定感に価値を感じるなら有力な選択肢
トリシティ125の主な欠点は、173kgという125ccとしては大きな車重、取り回しの負担、体格によって気になる足つき、軽快とはいえない加速、23.5Lの収納、572,000円という価格、前輪2本を含む独自構造による整備コストです。
さらに、三輪であっても停止時に自立するわけではなく、125ccなので高速道路も利用できません。特に「三輪なら倒れない」「普通の125ccスクーターと同じくらい軽い」というイメージを持っている人は、購入前に実車を確認したほうがよいでしょう。
その一方で、これらの欠点の多くはLMWによる安定感を得るための代償でもあります。軽さ・安さ・加速を最優先するなら他の125ccスクーター、雨天を含む走行時の安定感や独自の乗り味を重視するならトリシティ125という選び分けがわかりやすいでしょう。2026年夏の生産終了予定も踏まえつつ、価格だけでなく実際の取り回しと足つきを確認してから判断するのがおすすめです。



