XJR1200と1300の違いは?排気量・走り・足回り・年式別の特徴と選び方を比較

XJR1200と1300の違いは?排気量・走り・足回り・年式別の特徴と選び方を比較
XJR1200と1300の違いは?排気量・走り・足回り・年式別の特徴と選び方を比較
スペック・車種比較

XJR1200と1300の違いを調べていると、「排気量が少し違うだけでは?」「中古で買うならどちらがいい?」と迷う人も多いのではないでしょうか。外観や基本構成はよく似ていますが、XJR1300はXJR1200をベースに、エンジンだけでなくタイヤ、サスペンション、シート、メーターなども改良された後継モデルです。

さらにXJR1300は長期間販売されたため、初期型キャブ車と後期のFI車でも性格が異なります。ここではXJR1200とXJR1300のスペックや走り、足回り、年式ごとの違いを整理し、中古車としてどちらを選ぶべきかまでわかりやすく解説します。

XJR1200と1300の違いは排気量だけではない

結論からいうと、XJR1300はXJR1200を単純にボアアップしただけのモデルではなく、車体を含めて熟成させた後継車です。ヤマハも1998年のXJR1300発売時に、エンジン性能、基本走行性能、外観などを改良したモデルとして紹介しています。

XJR1200は1994年に登場し、1,188ccの空冷直列4気筒エンジンを搭載しています。一方、1998年に登場したXJR1300は、ボアを77mmから79mmへ拡大して1,250ccとし、最高出力も97PSから100PSへ向上しました。

主な項目 XJR1200 XJR1300初期型
登場年 1994年 1998年
総排気量 1,188cc 1,250cc
ボア×ストローク 77.0×63.8mm 79.0×63.8mm
最高出力 97PS / 8,000rpm 100PS / 8,000rpm
最大トルク 9.3kgf・m / 6,000rpm 10.0kgf・m / 6,000rpm
燃料供給 キャブレター キャブレター
フロントタイヤ 130/70ZR17 120/70ZR17
リアタイヤ 170/60ZR17 180/55ZR17
変速機 5速 5速
XJR1300という車名ですが、国内仕様の総排気量は1,250ccです。「1200から1300になって約100cc増えた」と思われがちですが、実際の排気量差は62ccです。

XJR1300はXJR1200の基本コンセプトを継承している

両車は空冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒、ダブルクレードルフレーム、ツインショックという基本構成が共通しています。丸目ヘッドライトと大きな空冷4気筒エンジンを見せるオーソドックスなネイキッドスタイルも共通しており、離れて見ると違いがわかりにくいことがあります。

そのため、XJR1300はXJR1200とまったく別方向へモデルチェンジしたわけではありません。XJR1200が持っていた「大排気量車らしい存在感と、スポーティーで扱いやすいハンドリング」を残しながら、細かな部分を改良したモデルと考えると違いを理解しやすくなります。

数字以上に違うのが車体のセッティング

エンジンの排気量差は62ccで、最高出力も97PSと100PSなので、カタログ上の差だけを見ると小さく感じます。しかし、XJR1300ではフロントタイヤを130mm幅から120mm幅へ細くし、リアは170mm幅から180mm幅へ変更しています。

さらにシート形状とサスペンションセッティングも変更されました。つまり、1300への進化ではエンジンの力強さだけでなく、曲がりやすさや乗り心地まで含めたバランスが見直されています。

ヤマハ発動機の1998年発表資料でも、XJR1300について「タイヤサイズ変更やシート形状変更による乗りやすさの向上」が説明されています。

XJR1200と1300はエンジンと走りにどう違いがある?

どちらも大排気量の空冷4気筒らしく、最高回転まで回してパワーを引き出すというより、低中速から豊かなトルクを味わえることが特徴です。ただし、1300では排気量拡大だけでなくエンジン内部にも変更が加えられています。

XJR1200は1,188ccで97PS

XJR1200のエンジンは1,188ccで、最高出力97PS/8,000rpm、最大トルク9.3kgf・m/6,000rpmです。FJ系エンジンの流れをくむ空冷直列4気筒を、国内のネイキッドスポーツ向けに仕上げています。

1,188ccという排気量があるため、97PSだから非力ということはありません。街中や一般道では最高出力より低中速トルクの太さが効き、大きな車体を余裕をもって加速させる性格です。

現在の高性能リッターバイクと最高出力だけを比べる車種ではなく、空冷4気筒のフィーリングや、大きな車体をトルクで走らせる感覚に価値を感じる人向けと考えたほうがよいでしょう。

XJR1300は1,250ccに拡大し100PSへ

XJR1300ではストローク63.8mmを変えず、ボアを77mmから79mmへ拡大することで1,250ccとなりました。最高出力は100PS/8,000rpm、初期型の最大トルクは10.0kgf・m/6,000rpmです。

数値だけならXJR1200との差は3PSですが、注目したいのはトルクの増加です。大排気量ネイキッドでは全開加速だけでなく、低い回転数からアクセルを開けたときの余裕が乗りやすさにつながります。

その意味では、1200から1300への変更は「大幅に速くした」というより、XJRらしい余裕のある加速をさらに厚くした進化と考えるほうが実態に近いでしょう。

1300では鍛造ピストンとメッキシリンダーも採用

XJR1300では排気量アップだけでなく、軽量かつ高強度な鍛造ピストンが採用されました。XJR1200のピストンは鋳造でしたので、ここも明確な違いです。

さらに排気量増加による発熱量の増加に対応するため、XJR1300ではメッキシリンダーを採用しています。ヤマハは当時、冷却性を高めて性能と信頼性を向上させるための変更と説明しています。

XJR1300は「XJR1200のエンジンを62cc大きくしただけ」ではなく、ピストンやシリンダーまで含めて改良されています。

タイヤ・足回り・外装にもXJR1200と1300の違いがある

XJR1200と1300を比較するときは、エンジンスペックだけで判断しないことが重要です。ヤマハが1300へのモデルチェンジで力を入れた部分の一つが、ハンドリングと乗りやすさです。

タイヤは前を細く、後ろを太く変更

XJR1200の代表的なタイヤサイズは、フロント130/70ZR17、リア170/60ZR17です。XJR1300ではフロント120/70ZR17、リア180/55ZR17へ変更されました。

リアタイヤだけを見ると1300のほうが太くなっているため、単に大型化したように見えます。しかしフロントは逆に10mm細くなっています。ヤマハはこの変更とサスペンションセッティングの見直しによって、街中での軽快感と乗り心地を向上させたと説明しています。

タイヤ幅は太ければ必ず優れているわけではありません。ハンドリングは前後タイヤ、ホイール、サスペンション、車体姿勢をセットで設計するため、純正サイズを変更すると本来の操縦感が変わる可能性があります。

1300はシートやメーターも変更された

1998年のXJR1300ではシート形状も変更されています。さらに、新設計の電気式メーターが採用され、デジタル時計とツイントリップメーターが追加されました。

外観ではサイドカバー、テールカウル、テールレンズも新設計されています。全体的なXJRらしいシルエットは残しているため一見すると似ていますが、リア周辺やメーターを見ると1200と1300を判別しやすくなります。

XJR1200も途中で装備が進化している

XJR1200についても全年式が同じではありません。1995年モデルではフロントブレーキにブレンボ製キャリパーを採用し、シートも変更されています。

1996年にはワイド化したオイルクーラーを採用し、リアのオーリンズ製サスペンションはフルアジャスト式になりました。また、ハーフカウルを装備したXJR1200Rも設定されています。

したがって中古車を比較するときは、「1200か1300か」だけでなく、1200についても年式やグレードを確認する必要があります。

XJR1200RはXJR1300とは別物です。XJR1200RはXJR1200をベースにハーフカウルを装備した派生モデルなので、中古車検索では車名をよく確認しましょう。

XJR1300は年式による違いが大きい

XJR1200と1300のどちらを買うか考えるうえで特に重要なのが、XJR1300の年式です。XJR1300は1998年の登場後も改良が続き、初期型と後期型では燃料供給方式まで違います。

1998年の初期型はXJR1200に近いキャブ車

1998年に登場したXJR1300は、1,250ccエンジンにBS36キャブレターを組み合わせています。XJR1200もキャブレター車なので、構成の近さを重視するなら初期の1300は1200からの正常進化版といえる存在です。

初期型1300は最高出力100PS、最大トルク10.0kgf・mで、乾燥重量230kg、装備重量253kgと発表されていました。シート高は775mmです。

2000年モデルでは約200カ所を変更し8kg軽量化

XJR1300で見逃せないのが2000年の大幅な改良です。ヤマハは新型BSR37キャブレター、新作軽量ホイール、新型ブレーキ、新しいシートなどを採用し、約200カ所の仕様変更を行いました。

車体重量は8kg軽減され、そのうち6kgがホイールなどのバネ下重量の削減とされています。2000年モデルの乾燥重量は222kg、装備重量は245kgです。

バネ下重量はサスペンションより先に路面の凹凸に反応するタイヤやホイール周辺の重量です。ここを軽くすることは、単純に車体全体を軽くする以上にハンドリングへ影響します。

中古のXJR1300を選ぶなら、1998~1999年型と2000年以降を同じ「キャブの1300」として一括りにしないことがポイントです。

2003年にはホイールやイモビライザーなどを変更

2003年モデルでは再び前後ホイールを軽量化し、大容量マフラーとキャブレターセッティングの変更、イモビライザー、新作メーター、ディンプル加工シートなどが採用されました。

エンジンの基本構成が同じでも、こうした変更によって装備や使い勝手が異なります。キャブレター車が欲しい場合でも、初期型の雰囲気を優先するのか、後年の熟成された仕様を優先するのかで候補が変わります。

2006年末からFI化されトルクも11.0kgf・mへ

大きな分岐点となったのが、2006年11月30日に発売されたモデルです。ここでXJR1300はキャブレターからFI、つまりフューエルインジェクションへ変更されました。

吸排気系なども見直され、最大トルクは従来の98N・mから108N・mへ約10%増加し、発生回転数も6,500rpmから6,000rpmへ低下しました。最高出力は100PSのままですが、実用域の力強さを高めた改良です。

後期FIモデルは無鉛プレミアムガソリン指定です。2015年モデルでも1,250cc、100PS、108N・m、5速、21Lタンクという基本仕様が維持されています。

XJR1300の主な時期 特徴
1998~1999年 初期型。キャブレター、1,250cc、100PS
2000年~ 新型キャブ、軽量ホイールなど約200カ所変更、8kg軽量化
2003年~ 軽量ホイール、イモビライザー、新作メーターなどを採用
2006年末~ FI化。最大トルク108N・m、4-2-1マフラーなどを採用
後期FIモデル 100PS・108N・m、無鉛プレミアムガソリン指定

XJR1200と1300を中古で買うときの注意点

現在XJR1200とXJR1300を選ぶ場合は基本的に中古車になるため、スペック以上に車両の状態が重要です。特にXJR1200は1990年代の車両ですから、モデルそのものの優劣だけで購入を決めるのはおすすめできません。

1200か1300かより整備状態を優先する

XJR1200と初期XJR1300はどちらも登場から長い年月が経過しています。走行距離が少ないというだけで良質車とは判断できず、保管状態や定期的に動かされていたかどうかも重要です。

長期間動いていなかった車両では、キャブレター、燃料系、ブレーキ、フロントフォーク、リアサスペンション、ゴムホース、シール類などに整備が必要になる場合があります。タイヤも溝の深さだけではなく製造時期を確認したい部分です。

購入価格が安くても、納車後にタイヤ、チェーン、スプロケット、ブレーキ、サスペンションなどをまとめて整備すれば費用は大きくなります。

古い大型バイクでは「車両価格の安さ」だけで判断しないことが重要です。購入時にはエンジンが始動するかだけでなく、冷間始動、アイドリング、異音、オイル漏れ、足回り、ブレーキ、充電状態などを確認しましょう。

キャブ車が好きなら1200だけに限定する必要はない

「昔ながらのキャブレター車に乗りたい」という理由でXJR1200を検討している場合、XJR1300の前期型も候補になります。XJR1300は2006年末のモデルチェンジまでキャブレターを採用しているためです。

そのため、キャブらしい構造を楽しみながらXJR1200より新しい年式を狙いたいのであれば、2000年代前半のXJR1300は有力な選択肢になります。

反対に、始動性や気温・標高などによる燃調変化をできるだけ気にせず普段使いしたい人にはFIモデルの1300が向いています。ただし、FIだから古い車両特有の整備が不要になるわけではありません。

カスタム車は部品の内容まで確認する

XJR1200・1300はカスタムベースとしても人気が高く、マフラー、キャブレター、ホイール、サスペンション、ブレーキなどが交換された中古車も珍しくありません。

有名メーカーのパーツが付いているから良い車両とは限らず、重要なのは適切に取り付けられ、車体全体として正しくセッティングされていることです。特にタイヤやホイールサイズ、ブレーキ周辺が純正から変わっている場合は注意したいところです。

純正状態を重視する人は、ノーマルパーツの有無も確認しておくと安心です。純正部品の供給状況は部品ごとに異なるため、必要な部品が現在入手できるかについても購入店へ確認するとよいでしょう。

XJR1200と1300は結局どっちがおすすめ?

どちらが上かというより、「何を求めてXJRに乗るのか」で適したモデルが変わります。オリジナルのXJRらしさや1990年代の雰囲気を重視するなら1200、完成度や年式の選択肢を重視するなら1300が選びやすくなります。

XJR1200がおすすめな人

XJR1200は、初代ビッグXJRという存在そのものに魅力を感じる人に向いています。1,188cc空冷4気筒とキャブレターを組み合わせたシンプルな構成や、1300とは異なる130mm幅のフロントタイヤなど、初期XJRならではの仕様があります。

1994年登場という時代背景を含めて楽しみたい人や、XJR1200という車名に思い入れがある人であれば、1300のほうが新しく高性能だからという理由だけで乗り換える必要はありません。

ただし年式が古いことは避けられません。購入後の整備まで含めて付き合えることが前提になります。

キャブのXJR1300がおすすめな人

キャブレター車のフィーリングを残しながら、XJR1200から改良されたエンジンや車体を求める人には、前期から中期のXJR1300が適しています。

中でも2000年以降は、軽量ホイールをはじめ約200カ所に改良が入り、車体も8kg軽量化されました。そのため、1300のキャブ車を探す場合は年式による仕様差を確認する価値があります。

「1200の雰囲気は好きだが、もう少し熟成されたモデルが欲しい」という人にとってバランスのよい選択肢です。

FIのXJR1300がおすすめな人

できるだけ年式が新しいXJRを選びたい人や、日常的な扱いやすさを重視するなら後期FIモデルが候補になります。最大トルクが108N・mまで増え、低中速域の力強さも向上しています。

ただしFIモデルは無鉛プレミアムガソリン指定で、キャブ車とは吸排気系などの仕様も異なります。「XJRなら何年式でも同じ」という感覚で部品を購入したりカスタムしたりしないよう注意が必要です。

重視すること 選びやすいモデル
初代XJRの雰囲気 XJR1200
1990年代らしいキャブ車 XJR1200・初期XJR1300
キャブ車と熟成度のバランス 2000年代前半のXJR1300
始動性や普段の扱いやすさ 後期FIのXJR1300
低中速トルクの余裕 特にFIのXJR1300
中古車選びで最優先すること 年式より整備・保管状態

中古車として総合的に考えるなら、特別にXJR1200へのこだわりがない人にはXJR1300のほうが候補を整理しやすいでしょう。特に1300はキャブ車とFI車を選べるため、自分の好みに合わせやすいからです。

一方、XJR1200の価値は単純な性能比較では測れません。初代大型XJRとしてのスタイルやフィーリングが目的なら、状態の良い1200を探す意味は十分にあります。

XJR1200と1300の違いを理解して自分に合う一台を選ぼう

まとめ
まとめ

XJR1200は1,188cc・97PS、XJR1300は1,250cc・100PSとなり、排気量とトルクが増えています。しかし、本当の違いはエンジンスペックだけではありません。

XJR1300では鍛造ピストンやメッキシリンダーを採用し、タイヤサイズ、シート、サスペンション、メーターなども変更されています。さらに2000年には約200カ所を改良して8kg軽量化し、2006年末にはFI化して最大トルクを108N・mまで高めています。

初代XJRらしさを味わいたいならXJR1200、熟成された車体や年式の選択肢を重視するならXJR1300が基本的な選び方です。ただし現在は車両ごとのコンディション差が大きいため、中古車では1200・1300という車名以上に整備履歴や保管状態を重視してください。

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