ヤマハのXフォース(X FORCE)は、155ccエンジンとフラットフロアを組み合わせた、街乗りの使いやすさが特徴のスクーターです。一方で「足つきが悪い」「メットインが小さい」「高速道路では余裕がない」といった欠点が気になり、購入を迷っている人もいるでしょう。
Xフォースの弱点は確かにありますが、その多くは軽快な車体やフラットフロアとのトレードオフです。この記事では、Xフォースの欠点をスペックや実際の評価から整理し、PCX160・NMAX155と比べてどんな人なら後悔しにくいのかまで解説します。
Xフォースの欠点は?購入前に知っておきたい結論

Xフォースの欠点を先にまとめると、特に確認しておきたいのは「足つき」「シート下収納」「航続距離」「高速道路での余裕」「ライディングポジション」の5点です。さらに2026年8月時点では、販売期間についても注意が必要になっています。
シート高815mmで足つきは良いとはいえない
Xフォースのシート高は815mmです。スクーターとして見ると高めで、停車時に両足をしっかり地面へ着きたい人には大きな欠点になります。
例えばHonda PCX160のシート高は764mmなので、カタログ値では51mmの差があります。シート高だけで足つきが決まるわけではありませんが、Xフォースをまたいだ際に「思っていたより高い」と感じても不思議ではありません。
特に身長が低めの人は、スペックだけで購入せず、実車で足つきを確認したほうが安心です。 車体重量は130kgと軽めなので支えやすさはありますが、傾いた車体を足先だけで支える場面ではシートの高さが効いてきます。
23.2Lのシート下収納は大容量とはいえない
ヤマハ公式では、Xフォースのシート下トランク容量を約23.2Lとしています。ヘルメットを収納できる設計ですが、公式にもヘルメットの形状や大きさによっては入らない場合があると記載されています。
日常的にヘルメット以外にもレインウェア、グローブ、買い物用品などを入れたい人にとって、23.2Lでは余裕が少なく感じられる可能性があります。
ただし、これは単純な設計上の失敗ではありません。Xフォースはセンタートンネルを設けず、足元をフラットにすることを優先しています。積載量よりも乗り降りのしやすさや、足元へ荷物を置きやすいことを重視した構成と考えると理解しやすいでしょう。
155ccなので高速道路では余裕が限られる
Xフォースは155ccの軽二輪なので高速道路を走行できます。最高出力は15PS、最大トルクは14N・mあり、市街地や一般道では十分な性能を持っています。
しかし、高速道路を頻繁に利用する人にとっては「走れること」と「余裕を持って走れること」は別問題です。排気量の大きな250cc以上のバイクと比べれば、高速域からさらに加速したい場面や長い上り坂などでは余力が小さくなります。
高速道路をたまに使えることをメリットとして考えるなら便利ですが、毎週のように長距離高速ツーリングをするのであれば、Xフォースより排気量の大きいモデルを検討する価値があります。
2026年冬に生産終了予定となっている
2026年8月時点で、ヤマハのXフォース公式ページには「2026年冬 生産終了予定モデル」と表示されています。
生産終了そのものは車両性能の欠点ではありません。しかし、新車を希望する人にとっては購入判断に関わる重要な情報です。生産終了後は販売店の在庫状況によって、新車のカラーや条件を自由に選びにくくなる可能性があります。
Xフォース最大の欠点になりやすい足つきと乗車姿勢

Xフォースで購入前に最も実車確認をおすすめしたいのが、足つきとライディングポジションです。小柄な人だけでなく、逆に体格が大きな人でもポジションが合わない可能性があります。
815mmというシート高は数値以上に確認が重要
Xフォースは全長1,920mm、車両重量130kgという比較的コンパクトな車体ですが、シート高は815mmあります。シートに座った際の足つきは、股下だけでなくシート幅や靴底の厚さ、座る位置によっても変わります。
そのため、「身長○cmなら必ず両足が着く」と一律には判断できません。特に通勤で渋滞路を走る人は停止回数が多く、足つきの小さな不満が毎日のストレスにつながることがあります。
試乗できなくても、最低限販売店でまたがり、両足を下ろした状態と片足で支える状態の両方を試しておくと判断しやすくなります。
ローダウンシートなら最大約30mm改善できる
足つきへの対策として、ヤマハは「X FORCE Low」というアクセサリーパッケージを設定しています。ヤマハの公式発表によると、専用ローダウンシートによって乗車時のシート高を最大約30mm下げられます。
しかも、シートベースは基本車と同じであるため、シート下収納容量は変わらないと案内されています。足つきに不満がある人にとっては、有力な解決方法です。
ただし、座面の形状やクッションの感覚も変わるため、「低くなれば必ず快適になる」とは限りません。標準シートとローダウンシートの両方を確認できるなら、座り心地まで比較したほうがよいでしょう。
身長が高い人は逆に窮屈に感じることがある
意外と見落とされやすいのが、大柄なライダーのポジションです。Xフォースはコンパクトな車体にフラットなステップボードを採用しており、一般的なビッグスクーターのように足を大きく前方へ投げ出す乗車姿勢は取りにくくなっています。
Motor-Fanの試乗記事では、身長178cmのテスターがポジションをタイトに感じ、ハンドルを大きく切った際に膝周辺との干渉が気になったと評価しています。
これはすべてのライダーに起こる問題ではありませんが、身長が高い人ほど「シート高が高いから楽なはず」と考えないことが大切です。Xフォースは小柄な人には足つき、大柄な人には膝まわりの余裕を確認したいモデルです。
Xフォースは積載量と航続距離にも弱点がある

通勤や買い物にスクーターを使うなら、エンジン性能より収納と給油頻度のほうが満足度へ影響することがあります。Xフォースは日常利用に十分な実用性がありますが、積載性と燃料タンク容量では割り切りが必要です。
メットイン23.2Lはヘルメット選びにも注意
ヤマハ公式の機能・装備ページでは、シート下トランクを約23.2Lとしています。公式写真ではジェットタイプのヘルメットが収納されていますが、すべてのヘルメットが入る保証はありません。
特に帽体が大きいフルフェイスや、インカム・突起物を装着したヘルメットでは収まりにくい可能性があります。購入時には普段使っているヘルメットを販売店へ持参し、実際に収納できるか確かめるのが確実です。
収納不足が気になる場合はリアボックスを追加できますが、そのぶん車両価格以外の費用が増えます。通勤バッグまでシート下へ入れたい人は、最初から収納量の大きい車種と比較しておいたほうがよいでしょう。
燃料タンク6.1Lなので給油回数は増えやすい
Xフォースの燃料タンク容量は6.1L、WMTCモード燃費は40.9km/Lです。カタログ値同士を単純に掛けると約249kmになりますが、実際の燃費は渋滞、気温、走行速度、アクセル操作などによって変わります。
当然ながら燃料を完全に使い切るまで走るものではないため、実際の給油間隔はこの数字より短く考える必要があります。毎日の走行距離が多い人にとっては、燃費そのものよりタンク容量が小さいことで給油回数が増えやすい点が欠点になりやすいでしょう。
逆に片道数km程度の通勤が中心なら、6.1Lでも大きな不満にならない可能性があります。Xフォースの航続距離に対する評価は、年間走行距離よりも「1日に何km走るか」で考えると判断しやすくなります。
フラットフロアは収納不足を補える大きなメリット
シート下収納が大きくない一方で、Xフォースには完全にフラットなステップボードがあります。センタートンネルのあるPCX160やNMAX155とは性格が異なり、またぎやすく、足元の自由度も高くなっています。
買い物袋などを足元へ置きやすいことは、日常利用では数字に表れにくいメリットです。メットイン容量だけを見るとXフォースが不利でも、「シート下へ全部収納するのか」「足元も積載スペースとして使うのか」によって評価が変わります。
Xフォースは高速道路や長距離ツーリングに向いている?

Xフォースの155ccという排気量は、125ccクラスにはない「高速道路を利用できる」というメリットがあります。ただし、高速道路を走れるからといって、高速移動を最優先して設計されたモデルではありません。
一般道では15PSと軽量ボディの組み合わせが活きる
Xフォースは水冷155cc BLUE COREエンジンを搭載し、最高出力15PS、最大トルク14N・mを発生します。VVAと呼ばれる可変バルブ機構も採用され、低回転から高回転まで扱いやすい特性を狙ったエンジンです。
車両重量は130kgなので、発進停止を繰り返す市街地では排気量以上に軽快さを感じやすい構成です。125ccスクーターから乗り換える場合、高速道路へ入れることに加え、一般道での余力が増えることもメリットになります。
つまりXフォースの走行性能そのものが低いわけではありません。欠点が目立つのは、155ccへ250ccクラスと同じ高速巡航性能を求めた場合です。
高速道路を頻繁に走るなら250cc以上も候補
155ccでも法律上は高速道路を利用できますが、長距離を高速道路中心で移動する用途では排気量の余裕が重要になります。追い越し時の再加速や上り坂、二人乗りなど条件が厳しくなるほど、155ccの限界を意識しやすくなります。
また、Xフォースは130kgと軽いため、市街地では取り回しやすい反面、大型車ほどの重量感はありません。高速道路での安定感を最優先する人にとって、軽さは必ずしもメリットだけではありません。
「通勤が9割で、必要なときだけ高速道路へ入る」ならXフォースの155ccは非常に合理的です。「休日は高速道路を100km以上走って遠出する」という使い方が中心なら、XMAXなど上の排気量も比較したほうが満足しやすいでしょう。
13インチタイヤとスポーティな設定は好みが分かれる
Xフォースは前後13インチタイヤを採用しています。コンパクトな車体との組み合わせでキビキビ動きやすい反面、大径ホイールのバイクとは段差を越えたときの感覚が異なります。
路面状況の良い市街地では軽快さが長所になりますが、荒れた路面や長距離で乗り心地を最優先する人は、試乗してサスペンションやシートの硬さを確認したほうがよいでしょう。
走りの評価は足つき以上に個人差があります。スペックだけでは「硬い」「柔らかい」を決められないため、通勤路に段差が多い人ほど試乗の価値が高くなります。
Xフォースの装備は古い?価格を考えれば納得できる部分もある

Xフォースは走行に必要な安全装備を備えていますが、最新スクーターと比べると装備面で物足りなく感じるポイントもあります。一方、メーカー希望小売価格は407,000円で、同クラスのライバルより抑えられています。
ABSとトラクションコントロールは標準装備
XフォースにはABSとトラクションコントロールシステムが標準装備されています。滑りやすい路面などで後輪のスリップ傾向を検知した際、駆動力を調整する仕組みです。
前後ともディスクブレーキを採用しており、安全装備に関して必要最低限というより、155ccスクーターとして十分実用的な内容です。スマートフォン連携にも対応しており、車両情報などをアプリから確認できます。
2026年時点では対応アプリの案内も変更されており、ヤマハ公式ではXフォースを「Yamaha Motor On」の適合モデルとして掲載しています。中古車を含めてコネクテッド機能を目的に購入する場合は、現在使用できるアプリとスマートフォンの対応状況を確認するとよいでしょう。
ハロゲンヘッドライトは最新感を求める人には弱点
Xフォースの主要諸元では、ヘッドランプにハロゲンバルブが採用されています。近年はLEDヘッドライトを採用するスクーターが増えているため、装備の新しさや灯火類の見た目を重視する人には古さを感じる部分です。
オーナーレビューではヘッドライトの点灯状態について好みが分かれる声もあります。ただし、デザイン上の印象と実際の照射性能は分けて考える必要があります。
「LEDでないからXフォースは駄目」と判断するほどの欠点ではありませんが、車体を長く所有する予定で最新装備を重視するなら、ライバル車との違いとして把握しておきたいポイントです。
407,000円という価格は欠点を許容しやすくする
2026年8月時点のXフォース ABSのメーカー希望小売価格は407,000円です。一方、ヤマハのNMAX155 ABSは459,800円、Honda PCX160は462,000円となっています。
XフォースはNMAX155より52,800円、PCX160より55,000円安い計算です。実際の乗り出し価格は販売店や諸費用によって変わりますが、本体価格では明確な差があります。
そのため、装備を単純に横並びで比較して「Xフォースには○○がない」と判断するだけでは公平ではありません。最新装備より購入価格とフラットフロア、軽快さを優先したい人には、むしろバランスの良い選択肢になります。
XフォースとPCX160・NMAX155を比較すると欠点がわかりやすい

Xフォースの良し悪しは単体で見るより、同じ150〜160ccクラスのPCX160やNMAX155と比較すると明確になります。どれが優秀かではなく、何を優先するかで選ぶモデルが変わります。
| 比較項目 | Xフォース | PCX160 | NMAX155 |
|---|---|---|---|
| メーカー希望小売価格 | 407,000円 | 462,000円 | 459,800円 |
| 排気量 | 155cc | 156cc | 155cc |
| シート高 | 815mm | 764mm | センタートンネル型のスポーツスクーター |
| 車両重量 | 130kg | 134kg | 快適性とスポーティさを重視 |
| 燃料タンク | 6.1L | 8.1L | 長距離も意識した構成 |
| WMTCモード燃費 | 40.9km/L | 44.9km/L | 走行条件により変動 |
| 足元 | フラットフロア | センタートンネルあり | センタートンネルあり |
| 特徴 | 軽快さ・価格・日常性 | 低いシート高・燃費・航続距離 | YECVTなど走りの装備 |
PCX160の現行情報はHonda公式PCXページ、NMAX155はヤマハ公式NMAX155ページで確認できます。価格や仕様は変更される可能性があるため、購入時には最新情報を確認してください。
足つきと航続距離ならPCX160が有利
PCX160はシート高764mmで、Xフォースより51mm低く設定されています。燃料タンクも8.1Lあり、WMTCモード燃費も44.9km/Lなので、カタログスペック上ではXフォースより給油間隔を長くしやすい構成です。
足つきや燃費、長距離移動のしやすさを優先するなら、PCX160は強力な比較対象になります。一方でセンタートンネルがあるため、Xフォースのような完全なフラットフロアではありません。
近距離の買い物や頻繁な乗り降りではXフォース、航続距離や足つきを優先するならPCX160という選び方がわかりやすいでしょう。
走行装備を重視するならNMAX155も候補
現行NMAX155には電子制御式CVTの「YECVT」が搭載されています。走行状況に応じて変速特性を変えられるなど、走りを楽しむための装備がXフォースより充実しています。
その分、メーカー希望小売価格は459,800円とXフォースより高くなります。価格差を考えると、Xフォースが単純に装備不足というより、狙っている価格帯と用途が異なると見るのが適切です。
通勤用としてシンプルで軽快な155ccが欲しいならXフォース、予算を増やして走行装備や上質感も求めるならNMAX155が選びやすくなります。
Xフォースを買って後悔しにくい人
Xフォースが向いているのは、街乗りや通勤を中心に使い、フラットフロアの便利さを重視する人です。130kgの車体も取り回しやすく、155ccなので125ccクラスでは走れない高速道路も必要に応じて利用できます。
反対に、足つきの良さ、大容量収納、長い航続距離、高速道路での余裕を最優先するなら、Xフォースの欠点がそのまま不満になりやすいでしょう。
「通勤・街乗り中心+たまに高速道路+フラットフロアが欲しい」ならXフォース。「足つき・燃費・長距離性能を優先」ならPCX160、「装備とスポーティな走りを優先」ならNMAX155も比較するのがおすすめです。
Xフォースの欠点を理解すれば向いている人は明確
Xフォースの主な欠点は、815mmという高めのシート、約23.2Lのシート下収納、6.1Lの燃料タンク、高速道路での余裕の少なさ、体格によって合わないことがあるライディングポジションです。2026年8月時点では、2026年冬に生産終了予定である点も新車購入者には重要です。
一方で、130kgの軽い車体、155ccエンジン、フラットフロア、ABS・トラクションコントロールを備えながら、メーカー希望小売価格407,000円に抑えられている点は大きな魅力です。
Xフォースは欠点の少ない万能スクーターというより、収納量や足つきよりも「軽快さ・フラットフロア・価格」を優先する人に合うモデルです。 購入前には特に足つきと膝まわりの余裕、普段使うヘルメットが収納できるかを実車で確認すると、購入後の後悔を減らせます。



